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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|インタビュー|平等な世界ですべての人に人権を(ラメシュ・ジャウラINPS総裁兼編集長インタビュー)

Ramesh Jaura以下はドイツの非政府組織(NGO)「プロモザイクe.V.」(ProMosaik e.V.)のミレーナ・ランポルディ氏による、ラメシュ・ジャウラ氏へのインタビューである。ジャウラ氏は、ベルリンに本拠を置く国際通信社「インターナショナル・プレス・シンジケート(INPS)」の総裁兼編集長であり、1983年に創設されたシンクタンク「国際協力評議会(Global Cooperation Council)」の共同創設者で会長でもある。

 

ミレーナ・ランポルディ(MR):INPSの最も重要な目的は何ですか?

ラメシュ・ジャウラ(RJ):「インターナショナル・プレス・シンジケート」(INPS)とそのフラッグシップ(中心)メディアである「IDNインデプスニュース」は、主流メディアがしばしば見落としたり、問題の背景や文脈抜きで伝えるニュース報道の向こうにある深層(Issue Beyond the News)に焦点を当てています。INPSによる分析記事の根幹には次の3つの着眼点があります。つまり、①社会正義と世界市民に基盤を置く本当の意味でのグローバルガバナンス。二つ目は、②核兵器なき世界を招来する「平和の文化」。そして三つ目は、③人権や市民の自由を確保することに資する国際協力(南北協力、南南協力、三角協力)です。

INPSはまた、芸術や文化に反映された文化横断的な交流の根本的な重要性を認識するとともに、2030年までに世界を変革することを目指した17項目から成る「持続可能な開発目標」(SDG)の枠の内外において持続可能性に注目しています。

そしてINPSの最大の特徴は、富裕国、中・低所得国の声なき声に光を当てるとともに、情報をより民主的でより多くの人々が参加できるよう、市民とあらゆるレベルのアクター(国連から各国政府、NGO、シンクタンク等)の橋渡しとなるよう、取材・配信活動を進めていく点にあります。

MR:INPSが国際的に取り上げている主なテーマにはどのようなものがありますか?

RJ:主なテーマとしては、①世界市民の育成、②核兵器なき世界の必要性に関する意識喚起、そして③持続可能な開発があります。

Wikimedia Commons実のところこれら3つのテーマには相互に関連性があります。つまり、地域や国の存在を超えて、遠くにありながらこれまでになく身近に感じざるを得ない「グローバル化された世界」の市民であるという感覚です。今や、地域や国家の問題ですらグローバルな次元を持つようになり、グローバルな問題が世界中の国々で個人に影響を及ぼしていることから、私たちはもはや、こうした現実を踏まえた観点を持って対処していかないかぎり、規模の大小に関わりなく、問題を解決できなくなっているのです。

私たちは世界市民として、限定された範囲を破壊する能力を持った小型の兵器とは異なり、核兵器は大量破壊兵器であるとの認識を持たなければなりません。核兵器は、ひとたび配備されされば、世界の最も遠い場所にも影響を及ぼし、老若男女を無差別に殺戮し、地球環境に予測不能な、恐らく原状復帰不能な被害を及ぼすでしょう。その結果、地球上の生命が生きていくことはほぼ不可能になります。

ICANこの観点から見れば、核兵器が及ぼす人道的帰結は壊滅的なものであり、開発にとって真の脅威となります。事実、持続可能な開発は不可能になるでしょう。国際社会が2015年9月25日に「新たな持続可能な開発アジェンダの一環として、貧困を撲滅し、地球を保護し、全ての人にとっての繁栄を確保する」ための開発目標を採択した背景には、まさにこうした現実が念頭に置かれているのです。

各開発目標には、今後15年で達成すべき特定のターゲットが明記されています。これらの目標を達成するには、政府、民間部門、市民社会、一般の人々など、全ての人が関与しなくてはなりません。

MR:人権を求めて闘うための最善の戦略は何でしょうか?

RJ:人権とは、国籍、居住地、性別、出身国・民族、肌の色、宗教、言語、その他のあらゆる地位に関わりなく、すべての人間が本来的に持っているものです。私たちは、差別なく人権を平等に享受する権利を持っています。これらの権利には互いに関係があり、相互依存的で、不可分なものです。

Universal Declaration of Human Rights/ UN photo世界人権宣言は、人権の歴史における画期的な文書です。世界の全ての地域から集まった様々な法的・文化的背景をもつ代表らが起草したこの宣言は、1948年12月10日、パリで開かれた国連総会において、すべての人民とすべての国が達成すべき共通の基準として採択(国連総会決議217(III))されました。それは史上初めて、基本的人権は普遍的に擁護されなくてはならないと宣言したものでした。

人権を求める闘いは、次のような目的を持った多方面の戦略を必要とします。あらゆる場所ですべての形態の貧困を撲滅する;飢餓の撲滅、食料安全保障や栄養状態の改善の達成、持続可能な農業の促進;健康な生活の確保とすべての年齢のすべての人々の厚生の促進;すべての人に対する包摂的で質の良い教育の提供と生涯学習の推進;ジェンダー平等の達成とすべての女性・女子のエンパワメント;すべての人に対する水と衛生的な環境の提供;安価で、安定的で、持続可能で近代的なエネルギー源の確保;すべての人に対する包摂的で持続可能な経済成長、雇用、人間らしい労働の促進。

また、人権を求める闘いは、必然的に次のようなものを含んでいなくてはなりません。国々の内部および国家間の不平等を緩和し都市を包摂的で安全で柔軟で持続可能な場所にすること;持続可能な消費・生産パターンの維持;気候変動とその影響に対処する緊急行動;海洋、海、海洋資源の保全と持続可能な形での利用;森林の持続可能な形での管理、砂漠化の防止、環境悪化の食い止めと原状復帰、生物多様性の喪失の食い止め;公正かつ平和的、包摂的社会の促進。

MR:あなたにとって最も重要な足元の問題は何でしょうか?

RJ:私たちは足元の問題をグローバルな観点から見ています。いま見てきたように、足元の問題は人類がグローバル規模で直面している諸問題を反映しています。つまり、貧困、飢餓の問題や、教育、水、衛生、保健施設の欠如といった問題です。同じように、ジェンダー平等の欠如や、圧倒的な社会的・経済的不平等は、社会を足元のレベルにおいても苦しめることになります。それらもまた、私達にとって重大な意味合いを持つ問題なのです。

MR:「プロモザイクe.V.」は、様々なNGOをつなげ、それらの活動について知らせていくことが重要だと考えていますが、この点についてどうお考えですか?

RL:全く同感です。NGOや市民社会組織(CSO)は、地方、国家、サブ地域、地域、国際レベルにおいて今日の世界で重要な役割を果たしています。それは、これらの組織が、社会の主流から取り残され、困窮した人々の鼓動を感じているからだろう思います。

しかし、NGOやCSOについても、一般の人々に対する透明性と説明責任を確保し、絶対確実な存在とは見られないようにしなくてはなりません。私たちINPSは国際協力評議会(GCC)と緊密に協力しながら、積極的にNGOの活動を報じていきます。GCCは、途上国と先進工業国との間の真の対話を促進することを目的に1983年に南北フォーラムとして設立されたシンクタンクです。

MR:平和を促進するための最善の戦略とはどのようなものでしょうか?

RJ:平和は、武力紛争の不在や、地域規模或いはさらに大規模な戦争の不在によって表されるものではありません。平和は、「平和の文化」に埋め込まれていなくてはなりません。国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)憲章が述べるように、「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」のです。

この同じ憲章は、「政府の政治的及び経済的取り決めのみに基づく平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって、平和が失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かれなければならない」と強調しています。

したがって、平和教育や非暴力の教育、寛容、容認、相互の尊重、知的および宗教横断的な対話と和解によって、人間の心のなかに平和を築くことを優先しなくてはなりません。

平和戦略は、対立し交戦中の主体の間で理解を促進する思考と行動によって導かれなければなりません。現在国連が行っている16の平和維持活動(PKO)によっても明らかなように、これは「言うは易く、行うは難し」です。しかし国際社会はこうした努力を、継続していかなければなりません。(原文へ

翻訳=IPS Japan

 

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