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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|人権|危険を保障しかねない安全保障理事会

 

【ブリュッセルIPS=ジョン・バンデール】

 

世界貿易機関(WTO)や国際通貨基金(IMF)は、新興国の経済的影響の拡大に徐々に慣れてきた。非公式ではあっても特別な力を持つG8も発展途上国に戸口を解放しつつある。しかし、変化に適合できないのは、強力な国連安全保障理事会だ。

理事会の5つの常任理事国(第二次世界大戦の4つの戦勝国、米露英仏と中国)の選定は、今にそぐわない過去の遺物だと皆が思っている。1993年以来、理事会を現在の状況に適応させるべく様々な提案が出されているが、新しい常任理事国候補(インド、ブラジル、日本、ドイツ、南アフリカ、ナイジェリア、エジプト)に関しても、5つの常任理事国(P)の同意が得られていない。

 
 
また、常任理事国の拒否権という大きな問題が残る。世界人口の30%が理事会を牛耳ることにつながっている。実際の所、過去15年間の16回の拒否権発動のうち、米国が13回を行ったので、国連最強の組織が世界人口の5%に牛耳られていることになる。


拒否権は理事会を左右する。冷戦中は2つの大国が裏庭と呼ぶ広大な縄張りに関与することは不可能だったし、米国とベトナム間の戦争に対し何の決議も採択出来なかった。冷戦後、理事会は1か月に1度から1週間に1度と採択数を増やしたが、米国の不均衡な影響力が偏見という問題を残す。 
 
イラク戦争は、対イラン戦争が1回、米国主導の戦争が2回あったが、拒否権の影響が如実に現れている。1980年のイラクによるイラン侵攻では、P5のほとんどがイスラム革命後1年のイランが攻撃を受けるのを良しとして何もしなかった。しかし、1990年にイラクがクウェートを侵攻すると、米国はサダム・フセインに法の順守とクウェートからの撤退を迫るべく世界中のほとんどの国を説得した。


米国がイラクに侵攻した際には、理事会は米国がどのような決議も阻止出来るとわかっていたので何もしなかった。「安全保障理事会の決議を確実に実施するために」イラクを侵略できると米国は主張した。大量破壊兵器を見付ける協力をしないフセインがいけないと。当時のコフィ・アナン国連事務総長はこの戦争は違法だと言った。決議がプロセスを決定するのではなく、決議の実施もP5、特に米国の力によってゆがめられることになる。


たとえば、1980年の安保理決議465に従わないイスラエルに制裁を加えることがないのは、米国が12回の拒否権発動でイスラエルを守るからだ。ニューヨークの9/11テロ事件とルワンダの大量虐殺への対応も異なる。安全保障理事会がアラブ諸国、途上国の信頼を得られない所以だ。
 
 
ジョージ・W・
ブッシュ米大統領は安全保障理事会をわきに置いて、イラクを侵略し、理事会の信用を地に落とした。安全保障理事会が世界の平和に貢献したいなら、信頼される正当な組織でなければならない。理事会は皆に同じく規則を適用して始めて正当だと認められる。


旧態依然として、米国の影響を受け続ける安全保障理事会について報告する。


翻訳/サマリ=IPS Japan 浅霧勝浩