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国連は米国の資金援助をものともせず

 

【国連IPS=タリフ・ディーン】

(国連をはじめ多くの国際機関への最大の資金拠出国である)米国は長年、財政面において(同国との協調を拒絶している)国連機関を脅かす政治的影響力を行使してきたことで悪評を受けてきた。

1984年、米国は組織の運営方針や『新情報秩序』(new international information order)の計画策定への反対を理由にUNESCO)(国際連合教育科学文化機関:U.N. Educational, Scientific and Cultural Organization)から脱退した。

 
その結果、UNESCOの年間予算1億8000万ドルのうち25%が削減された。この大幅な削減にも関わらず、UNESCOは米国抜きでも存続を続けてきたが、2003年、米国は運営の見直しがあれば協調できるとしてUNESCOに復帰した(UNESCO現事務局長は昨年再任された松浦晃一郎氏)。
 
 
先月、ブッシュ政権は、各加盟国が(米国企業に沿った経営を行う最高執行責任者(COO)の指名を含む)米国主導の改革に同意しないならば20062007年度の国連予算案成立を阻止すると迫った。

圧倒的過半数の国が提案された改革案に反対であったため、国連の予算管理委員会は最終的に米国が提案した妥協案に合意した。コフィ・アナン国連事務総長は、改革に関する措置の実施まで6ヶ月にわたり9億5000万ドルを使用する許可を得ていた。しかし、その結果、従来の国連の2年分の予算を骨抜きにした。

アレハンドロ・ウォルフ米国大使は「明らかに、6ヶ月経てば我々は運営改革問題に関する進展を評価し、2006年の資金をめぐる問題の取り組み方を決定することができる」と述べた。

一方、ブッシュ政権はこれまでUNFPA国連人口基金U.N. Population Fund)から合計約1億2700万ドルの拠出を差し控えてきた。(2002年は3400万ドル、2003年は2500万ドル、2004年、2005年にはそれぞれ3400万ドルのUNFPAへの拠出金を保留)

この資金援助の凍結は、UNFPAが中国における妊娠中絶を支持しているという誤解の下に行われた。(この考えはブッシュを強く支持するネオコンやキリスト教原理主義者たちによるものである)

UNFPA
のスポークスマンは「実際、UNFPAは中国や他のいかなる地域においても妊娠中絶を支持していない」とIPSの取材に応じて語った。

彼は「中国におけるUNFPAの活動は、家族計画、安全な分娩、出産時の緊急医療やHIV/AIDSなど性感染病の予防・治療といった包括的なリプロダクティブ・ヘルスケアの強化を目指すものである」と付け加えた。(リプロダクティブ・ヘルス:性と生殖に関する健康:IPSJ

「さらに、米政府の代表団を含む多くの独立調査団は、UNFPAが中国の強制堕胎施策を支援していることを示すいかなる証拠も見つからなかった」
 
 
アジアの外交官は「米国は、資金提供を中止したにも関わらず、2つの国連機関の働きを狂わせることができなかった。UNESCOUNFPAは米国の『襲撃』をなんとかかわしたのだ」とIPSの取材に応じて語った。

UNFPA
のソラヤ・アフメド・オベイド事務局長は先週、「2005年は1969年の創設以来これまでよりも多くの国々がUNFPAに資金提供を行った(2005年:171カ国、2004年:166カ国)」と記者に述べた。

また、昨年のUNFPAの通常の資金拠出額はこれまでで最大であった(3億5000万ドル:前年度3億2200万ドル)。

2005年度の主な資金拠出国は、オランダ、日本、スウェーデン、ノルウェー、英国〈国連人口基金〉およびデンマークである。(日本のUNFPAへの拠出額は1986年~99年までは世界1位、2000年以降はオランダが拠出額1位となっている。2003年の日本の拠出金は、3951.7万ドルで第2位であった:IPSJ)オベイド事務局長は「アフリカの全ての国がUNFPAに資金提供することを約束した」と述べた。

「我々は国連加盟国からの支援に対して大いに感謝している。UNFPAが性と生殖の健康の増進とHIV感染防止の強化に向けて、より多くの国が活動資金の拠出国として参加してくれること、我々の収入が伸び続けることを願う」と述べた。

UNFPA
ニューヨーク本部のアニカ・ラーマン(Anika Rahman)氏は、2005年度のUNFPAの記録的な拠出金額は、UNFPAの活動が世界の女性の権利や健康を促進させていることを世界中に広めている現われであると語った。

また「アメリカ人は、自国こそがこのような課題を解決してくれるリーダーであると考えているが、現実は米国による1億2500万ドルを超える拠出金の保留は世界中の女性を軽視した行為である」とIPSの取材に応じて語った。

人口研究所(Population Institute)のローレンス・スミスJr. (Laurence Smith Jr.)氏は、「国際社会のUNFPAのこのような絶大な支持は、世界中の最貧国におけるリプロダクティブ・ヘルスや家族計画の必要性に対してUNFPAが従来とってきた行動に対する賛辞である。またこのことは、1960年代、米国のみが、世界人口の安定の実現に向けて必要な組織としてUNFPAの設立を強く国際社会に訴えていた事実を考えると、全く皮肉な現状である。」とIPSの取材に応じて語った。

現在、国際社会は(3億5000万人もの貧困に喘ぐ女性たちが家族計画やリプロダクティブ・ヘルスを実現できない状況の下)人口増加の抑制が今後も世界的な重要課題になることをブッシュ政権に確信させようと躍起になっている。

2003年度国連人口賞受賞者のワーナー・フォノス(Werner Fornos)氏は「UNFPAへの資金調達の増加は、世界中が憂慮すべき人口問題の重要性を十分理解していることの表れである」とIPSの取材に応じて語った。

また同氏は「世界で最も裕福な国がUNFPAに貢献していないにも関わらず、資金調達の増加は、国際社会の『UNFPAの活動に対する信頼』を証明している」と述べた。

さらに彼は「結果的に、UNFPAに批判的な立場を取っているブッシュ大統領は、現実問題から顔を背けることで多くの非難の的となってしまった」と述べた。(原文へ

 

翻訳=IPS Japan

 

 

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