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|ロシア|移民労働者への帰国要請強まる

【モスクワIPS=ケスター・ケン・クロメガー】

景気後退の悪化は、ロシア人よりも旧ソビエト連邦諸国からロシアへ来て働いている人々に、より厳しい影響を与えている。ウラジミール・プーチン・ロシア連邦首相は先月、2009年のCIS独立国家共同体(バルト3国ラトビア、リトアニア、エストニア以外の旧ソビエト連邦の国々で形成された緩やかな国家連合体)からの労働者受け入れ割当てを、ロシア人の雇用保護のため半分、もしくはそれ以上減らすよう命じた。 

これは400万人の定員が200万人あるいはそれ以下に減らされ、移民労働者の多くが解雇に追い込まれることを意味する。

ここ数年移民労働者の定員は、ロシアの経済成長にともなう安い労働力の需要により大幅に増加した。しかし、現在ロシア企業は建設業などの肉体労働で何千人もの移民労働者を解雇している。モスクワの国際労働機関(ILO)におけるRegional Migration Programmeの技術顧問二リム・バルア氏はIPSのインタビューに応じ「プーチン首相の政令は390万人という移民労働者定員の削減を直接謳ったものではない。しかし一時は定員を30パーセント増加する準備があった一方、雇用市場の状況に応じて50パーセントまでの定員の増減を許容する内容となった」と述べた。景気後退が続けば、定員を半減することも許される。

労働移民は、外国人労働力の需要とビザ免除国(グルジアとトルクメニスタンを除いたCIS独立国家共同体の国々)と他の国々に対する割り当てを勘案して受け入れられている。アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、ウクライナの経済は石油で潤っているロシアで働く移民労働者からの送金に強く依存している。

こうした正規の移民の他にロシアには少なくとも500万人の不法労働者がいると言われている。ロシアからの送金が国で待つ家族の主要な資金である一方、移民労働者の多くはロシアでの人権侵害や保証の少なさについて不満をこぼす。ILOの調査により、ロシアで働く移民労働者の社会保障と身辺の安全度が極端に低いことも明らかになった。

中央アジア旧ソビエト連邦の国家指導者達は、ロシアに対して移民労働者の労働環境を改善し、ロシア領土において彼らの市民権を保護するよう訴えてきたが、今では移民労働者の雇用そのものが脅かされる危機に直面している。バルア氏は「金融危機以来増えている給与未払い問題は労働権の侵害であり、解雇は労働契約と労働法に反している」という。

ロシア科学アカデミーの社会経済問題研究員であるElena TjurukanovaはIPSのインタビューに応じ、「新しい定数を採択すれば、合法移民と違法移民の割合が入れ替わるだけである。また当然不法労働者は何の権利も保障されない」と述べた。

Centre for Social and Labour Rights のPyotr Bizyukov氏はロシアの大手新聞『Nezavisimaya Gazeta』と『Novye Izvestia』のインタビューに「ロシア企業は問題が壊滅的ではないにも関わらず、従業員を『念のため』という理由だけで早く解雇しすぎた」と述べた。Bizyukov氏は、経済危機に関わらずロシアはまだ外国からの労働力を必要としており、じきに労働力不足に陥ると指摘する。その仕事の大半は過酷で賃金が低い、ロシア国民が避けたがる仕事である。

1月初め、ドミトリー・メドヴェージェフ大統領が認可した、ロシア人失業者の支援を拡大する法令には、失業者の再訓練や雇用創出のための公共工事費などが予算に含まれる。政府は18億ドルをロシア人失業者の支援のために確保しており、その準備金の大半は石油による収入でまかなわれている1,370億ドルからくるものである。 (原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩


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