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|新型コロナウィルス|感染リスク予防接種の中断で8000万人の乳児が危機に晒される

Photo: A three-year-old girl receives a vaccine shot at a community health centre in Beijing. Credit: UNICEF/Zhang Yuwei【ジュネーブ/ニューヨーク=ジャヤ・ラマチャンドラン】

6月4日にロンドンで開催される「世界ワクチンサミット」に先立ち、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(ユニセフ)、そして、貧困国へのワクチン供与を行っている国際機関「GAVIワクチンアライアンス」は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、命を守る予防接種サービスが中断に追い込まれ、富裕国、貧困国を問わず世界の何百万人もの子どもたちがジフテリア、はしか、ポリオなどに罹るリスクに晒されている、と警鐘した。

WHO、ユニセフ、GAVI、サビン・ワクチン・インスティテュートが収集したデータによると、少なくとも68カ国において、定期的な予防接種が行えず、1歳未満の乳児8000万人に影響がでている。

Tedros Adhanom Ghebreyesus, Director General, World Health Organization at the AI for Good Global Summit 2018/ By ITU Pictures from Geneva, Switzerland, CC BY 2.0WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「予防接種は、公衆衛生の歴史で最も効果的かつ基本的な疾病予防の手段の一つです。」「COVID-19の感染拡大により予防接種プログラムが中断してしまえば、はしかのような予防接種で感染を防ぐことができる病気を封じ込めるためにこれまで数十年に亘って積み重ねてきた進歩を台無しにしてしまう恐れがあります。」と語った。

WHOによると、子どもの定期予防接種は、予防接種拡大計画が1970年代に開始されて以来、前例のない世界的規模で中断されている。データが利用可能な129カ国の半数以上(53%)において、中程度から大規模の中断、または2020年3月から4月の間の予防接種サービスの完全な停止が報告されている。

予防接種が中断される理由は様々である。移動制限、情報不足、またはCOVID-19への感染を恐れて、外出に消極的な保護者もいる。また、往来の制限やCOVID-19への対応、防護具がないといった理由から、医療従事者の人手が不足している。

Gaviワクチンアライアンスのセス・バークレー事務局長は、「今日、歴史上かつてないほど、ますます多くの国々で、ワクチンで感染予防が可能な病気からより多くの子どもたちを守れるようになりました。しかしこうした大きな進歩も、COVID-19の感染拡大により、予防接種の実施が危うくなっており、はしかやポリオといった感染症が再び流行するリスクが高まっています。」と語った。

Coronaviruses are a group of viruses that have a halo, or crown-like (corona) appearance when viewed under an electron microscope./ Public Domainさらに、ワクチン輸送の遅延が状況を悪化させている。ユニセフは、都市封鎖の措置や、その後の民間航空便の減少と限られたチャーター便の運航のため、計画されていたワクチン供給が大幅に遅れていることを報告した。これを緩和するために、ユニセフは政府、企業、航空業界などに対し、命を守るワクチンのために良心的な価格で貨物スペースを解放するよう求めている。GAVIは先日、輸送に利用できる民間航空便の数が減ったことを考慮し、ワクチンの輸送にかかる費用の増加を補うための事前資金を提供すると、ユニセフと合意した。

ユニセフのヘンリエッタ・フォア事務局長は、「一つの感染症と闘うために、他の感染症との戦いで得た長期的な進展を犠牲にするわけにはいきません。ポリオ、コレラの感染予防に効果的なワクチンがあります。状況によっては予防接種を一時的に中断する必要があるかもしれませんが、これらの予防接種はできるだけ早く再開しなければなりません。そうでなければ、感染症を一つ防ぐ代わりに別の感染症を流行させてしまう恐れがあるからです。」と、語った。

大規模な予防接種キャンペーンが相次いで一時中断

SDGs Goal 3一方、WHOは、多くの国は、COVID-19パンデミックの初期段階から感染リスクを低減させ物理的な距離を保つ必要性から、コレラ、はしか、髄膜炎、ポリオ、破傷風、腸チフス、黄熱病などの感染症における大規模な予防接種キャンペーンを中断した、と発表した。

とりわけ、はしかとポリオの予防接種キャンペーンは大きな影響を受けており、はしかキャンペーンは27カ国で、ポリオキャンペーンは38カ国で中断している。GAVIの支援する低所得国21カ国において少なくとも2400万人が、キャンペーンの延期により、ポリオ、はしか、腸チフス、黄熱病、コレラ、ロタウイルス、HPV(ヒトパピローマウイルス)、髄膜炎および風疹の予防接種を受けられないおそれがある。

WHOは3月下旬、予防接種キャンペーンで多くの人が集まることでCOVID-19の感染を助長すると懸念し、リスク評価と新型コロナウィルスの効果的な感染対策が確立されるまでの間、予防接種を一時中断することを各国に推奨した

その後、WHOは状況を監視し、各国が予防接種キャンペーンを再開する方法と時期を決定するために役立つガイドラインを発行した。ガイドラインでは、各国がCOVID-19感染のダイナミクス、医療体制のキャパシティ、および予防や流行への対応として予防接種キャンペーンを実施することによる公衆衛生上の利益に基づいて、特定のリスク評価を行う必要があると述べている。

このガイドラインに基づき、そしてポリオの感染拡大における懸念の高まりを受けて、世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)は、各国に向けて、とりわけポリオの感染リスクの高い国での予防接種キャンペーンの安全な再開を計画し始めるよう求めている。

Photo credit: Physicians Committee for Responsible Medicineこのような課題があるにもかかわらず、予防接種を継続するために取り組んでいる国々もある。ウガンダでは、予防接種サービスが他の重要な医療サービスとともに継続できるよう取り組むとともに、アウトリーチ活動のための移動資金を確保している。また、ラオスでは3月の全国封鎖にもかかわらず、特定の場所での定期予防接種は物理的な距離をとる措置を講じた上で継続された。(原文へ

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