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グローバルな核実験禁止の発効を呼びかけ

Photo: Participants of the 2018 CTBTO GEM – Youth International Conference in Astana. In the front is ATOM Project leader, Honorary Ambassador and artist Karipbek Kuyukov. Behind him: Kazakh Foreign Minister Kairat Abdrakhmanov (on the right) and CTBTO Executive Secretary Dr Lassina Zerbo (on the left). Credit: CTBTO. 【ベルリン/ウィーン/アスタナIDN=ラメシュ・ジャウラ】

カザフスタンのカイラット・アブドラフマノフ外相と包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)準備委員会ラッシーナ・ゼルボ事務局長が、すべての包括的核実験禁止条約(CTBT)署名国に対して、22年間も停滞しているCTBTを「発効させて核実験の禁止に法的拘束力を持たせるべく全力を傾けるよう」訴えた。

2019~20年に国連安保理の非常任理理事国を務めるドイツのハイコ・マース外相も、この訴えを支持した。マース外相は、8月29日の「核実験に反対する国際デー」に合わせた声明のなかで、「核兵器の脅威は、とりわけ核実験に関して明確です。核実験は、事実上禁止されているにも関わらず、残念ながら依然として行われています。直近の核実験は、北朝鮮がほんの1年前に行ったものです。」と力説した。

したがって、ドイツの主目標は、核兵器の拡散と闘い、さらなる核開発のための核実験を予防し続けるところにある。

「CTBTを早期に発効させなくてはならないのは明らかです。」とマース外相は語った。CTBTが発効すれば、核実験を普遍的に禁じた国際法が拘束力を持つようになる。「私たちは、欧州諸国などのパートナーと協力して、この目標を達成するために最善の努力を払っています。CTBTの未批准・未署名国は、最終的に批准・署名すべきです。」

Photo: Kairat Abdrakhmanov, Foreign Minister of the Republic of Kazakhstan. Credit: Katsuhiro Asagiri, IDN-INPS Multimedia Directorアブドラフマノフ外相とゼルボ事務局長は共同声明のなかで、8月29日の「核実験に反対する国際デー」の歴史的重要性を強調した。国連総会は、カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領のイニシアチブにより、この日を国際デーに指定している。共同声明は、この国際デーについて、「1991年にセミパラチンスク核実験場(ソ連の主要な核実験場)が閉鎖された日であり、カザフスタンにとっては象徴的な日にほかならない。」と述べている。

共同声明は、カザフスタンの首都アスタナで、5日間に亘って開催されたCTBTO青年グループ(Youth for CTBTO)と賢人会議(GEM)による「2018年青年国際会議」(8月28日~9月2日)の場で採択され、すべての加盟国に対して「核爆発実験のモラトリアムを継続」し、「条約に署名・批准をしていない国は、速やかに署名・批准するよう」求めた。

共同声明は特に、条約の発効に批准が必要な残り8か国(付属書2諸国)に対して、「この重要なステップを取ることでリーダーシップを発揮する」よう訴えた。

その8カ国とは、中国・エジプト・インド・イラン・イスラエル・北朝鮮・パキスタン・米国である。インド・北朝鮮・パキスタンは署名もしていない。合計で183カ国が署名しており、そのうち、フランス・ロシア・英国の核保有3カ国を含めた166カ国が批准も済ませている。しかし、核技術を持つ特定44カ国が、CTBT発効のために署名・批准を済ませねばならない。

Credit: CTBTOアスタナ共同声明は、核実験なき世界に向けたカザフスタンとCTBTOのコミットメントを再確認し、CTBT発効実現への決意を新たにしている。

「この22年間、CTBTは希望の光であり続けてきました。」とアブドラフマノフ外相は会議の開会挨拶で述べた。「しかし、グテーレス国連事務総長が最近述べたように、世界平和の実現は依然として不透明な状況です。核なき世界への道のりにおいて、共通の政治的意思を欠いている現状こそが、最大の障害となっています。」と語った。

アブドラフマノフ外相は、核実験に反対する国際デーを記念した国連総会ハイレベル本会議が9月6日にニューヨークで招集されることを強調した。

Photo: Karipbek Kuyukov. Credit:ATOM Projectアブドラフマノフ外相はまた、「世界の安全保障と次世代のための安全な未来は、世界から核兵器が完全になくなって初めて保証されます。」と語った。「核実験の廃止は私たちの使命」(頭文字を取ってATOM)プロジェクトとその名誉大使であり芸術家のカリプベク・クユコフ氏はこの点で多くの努力を払ってきた。

「私たちは、さらなる一歩として、核兵器禁止条約への支持を表明するよう諸国に求めます。」と、アブドラフマノフ外相は述べた。カザフスタンは核兵器禁止条約に3月2日に署名し、現在、批准の準備を進めつつある。

「私たちの将来は若者の手中にあります。皆さんの貴重な貢献と積極的な参加が、核兵器の使用がもたらす危険な帰結に対する関心を高めるうえで重要です。」と外相は付加えた。

8月29日の「実験に反対する国際デー」には、ニューヨークやウィーンの国連に加え、アスタナでも記念イベントが開かれた。このきわめて象徴的な日は、1949年にソ連が初めて核実験を行った日でもあり、セミパラチンスク核実験場が閉鎖された日でもある。その間、同核実験場では456回の核実験が行われ、悲惨な被害をもたらした。世界的には、1945年から96年の間に2050回以上の核実験が行われた。

Photo: Former Nuclear Weapon Test site of Semipalatinsk. Credit: Katsuhiro Asagiri, IDN-INPS Multimedia Director. 1991年8月29日のセミパラチンスク核実験場閉鎖という、カザフスタン大統領による歴史的な決定は、強力な政治的メッセージを送り、1996年のCTBT採択につながる国際的な取り組みに寄与した、と共同声明は述べている。

共同声明はさらに、カザフスタンはCTBTOを長年にわたって強力に支持し、核兵器廃絶実現への決意を示してきた、と述べている。CTBTOは、2008年、その前年にセメイと改称されたセミパラチンスクで、初の大規模な統合野外査察演習を行った。2015年から17年にかけては、日本と共同で「CTBT批准促進会議」(第14条会議)主宰し、条約の早期発効促進に尽力した。

「カザフスタンは、2017~18年の国連安保理非常任理事国として、世界の核不拡散体制を強化し、核兵器が世界の平和と安定にもたらす危険に焦点を当てる国際的努力をたゆみなく支持し続けている。」と声明は述べている。

CTBTOのゼルボ博士は、CTBTは「信頼醸成的な要素であり、いかなる核実験も見逃さず、非核兵器国と核兵器国との最大公約数的存在であり、対話継続と協力拡大の堅固な基盤です。」と語った。

Photo: Dr. Lassina Zerbo, CTBTO Executive Secretary. Credit: Katsuhiro Asagiri, IDN-INPS Multimedia Director.多くの韓国政府関係者や市民社会のメンバーと朝鮮半島情勢について議論し、数日前に帰国したばかりのゼルボ博士は、ウィーンで配布された声明の中で、「私が加わった議論を通じて、朝鮮半島の核問題に対する恒久的な解決策を見つけるうえでCTBTとCTBTOが重要な役割を果たしうると確信してきたところです。」と述べている。

ゼルボ博士はまた、「CTBTとその検証体制、CTBTOの専門的知識と能力は、朝鮮半島の非核化プロセスにおいて意義を持つものです。」と述べている。

CTBTOは、ウィーンの本部において、カザフスタン政府代表部との共催、国連広報センターの後援で、ウィーン駐在の外交官や国際機関職員、一般市民のための展示会と記念イベントを開催した。

CTBTOとスペインのNGO「平和と協力」は、その機会に、2018年のグローバル・アート・キャンペーン「より安全な世界へ―CTBTOに参加しよう」を立ち上げた。このキャンペーンは、世界各地の子どもたちを巻き込みながら、核実験を禁止する必要性についての意識を高め、CTBTOの2019年「科学技術会議」において授賞式と展示会を執り行う予定だ。(原文へ

翻訳=INPS Japan

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