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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|タイ|「性産業」犠牲者の声なき声:サオカム(仮名)の場合

 

HIV/AIDS研究事業現地取材からの抜粋】

 

「私はミャンマーの少数民族シャン族出身の17歳で、タイのメーサイと国境を挟むビルマ(ミャンマー)のタチレイで家族は母と義父の2人がいます。人身売買の被害にあった当時、私は15歳で、結婚させられて20日ほど経ったところでした。

そこにブローカーの女性が『バンコクに行って働く気がないか?』と誘いをかけてきました。私は夫と別れて出稼ぎに行きたかったので、そのブローカーから10,000バーツの手切れ金を前借して離婚し、地元の友人と一緒にブローカーについてタイに行くことにしました。

 
しかし、後で分かったことですが、働き始めてから返す借金はその10,000バーツに留まらず、ブローカーの手数料(10,000バーツ)、移動費、アパート代など合計50,000バーツに膨れ上がっていました。
 
 
友人と私はメーサイ経由でタイに越境しました。国境を越えると男が待ち構えており私たちは森の中にある小屋へ連れて行かれました。そこには私たちの他に10名ほどの女性がいました。私たちは全員バンに乗せられ一旦バンコクまで運ばれそこから様々な目的地に分かれていきました。

私は他の2人の少女達とバンコク市南部のBang Kaeに連れて行かれました。2・3日すると一人の女性が訪ねてきました。私たちは裸になるように言われ、身体をチェックされました。彼女は『肌の色が白くかわいいから客が気に入るだろう』と言って私を気に入ったようですが、隣にいた子は気に入らなかったようです。

後で聞かされましたが、その娘はそれからどこかよそに送られたそうです。その後、Melrose Massage and Saunaという所に連れて行かれました。職種については、ブローカーはMassage and Saunaとのみ伝えてきただけで詳しい説明はしてくれませんでした。私は伝統的マッサージのようなものだろうと考えていました。

その職場には200人程の女性が働いていましたが、仕事の内容が売春であることは到着して初めて知らされました。ただし、ミャンマーの故郷を出発するに当たって契約書に署名されられており、『もし逃げたら故郷の両親に危害を加える』と脅されたため、どうすることもできませんでした。マッサージパーラーでは、ます、新入りの研修と称して、ポルノビデオを見せられ、複数の男性スタッフ相手に様々な性行為をさせられました。

職場に投入されて最初の3カ月は、一回のサービスあたり2,000バーツの値段がつけられ、その内500バーツが取り分でした。しかし、その後少し太ったせいもあり、私の値段は500バーツ(取り分は400バーツ)に落とされました。時々ある警察の巡回に際しては、私のように身分証明書をもたない売春婦は建物の裏に隠されました。

HIV/AIDSのことはミャンマーで聞いていました。村の中にもバンコクに出稼ぎにでた人がエイズで死にました。バンコクにでてきてこの仕事をさせられるようになって、HIV/AIDSに感染しないかと不安でした。しかし、どうしようもないので、自分は大丈夫だと言い聞かせながら、早く借金を返して故郷に帰ることだけを考えていました。
 
 
コンドームはエイズ感染から体を守ってくれると聞いていたので、客にはいつも使用するよう頼みました。また、店側も、コンドームの使用を拒否する客に対してはサービスをしなくてもいいように規則を決めていましたので、そのような客に遭遇した場合は、ママさんに連絡して対処してもらうことができました。ただし、顧客の中には性行為に際して乱暴な人もおり、コンドームが破れるのではないかと心配することが少なくありませんでした。

店には毎週水曜日と土曜日に医者が検診に廻ってきていました。売春婦には3カ月ごとに血液検査が義務付けられており、感染が判明するとその場で追い出されました。私たちは、借金を返して生きていくためにも、健康には気を遣うようにアドバイスされていました。結局、その店に連れてこられて約1年後の8月に警察が事前通告なしに店を捜索し、私は他の12人の娘達と共に保護されました。

ここでは(人身売買の犠牲者を収容する更生施設)、職業訓練の一環で裁縫を学んでいます。この技術は故郷に帰ってからも役に立つと思います」

(タイ取材班:INPS Japan浅霧勝浩、マルワーン・マカン-マルカール、チャヤニット・プーンヤラット)

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