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|国連|紛争地の性暴力に対処するため「女性保護アドバイザー」を派遣へ

【国連IPS=タリフ・ディーン】

 

性暴力をけっして許さないとの国連の方針にも関わらず、南スーダンやコンゴ民主共和国、ウガンダ北部、ソマリア、中央アフリカ共和国といった紛争地帯において、そして最近では、政治的に問題を抱えたエジプトやシリアなどにおいて、性暴力関連の犯罪が多発している。

 

国連の潘基文事務総長は、昨月、安全保障理事会の会合において、レイプは「戦争の武器」であり、紛争があるところ必ず性暴力が多発し、「被災者を物心両面で打ちのめし、地域社会の構造そのものを破壊してきました。」と指摘したうえで、「こうした紛争下の性暴力は、国際人道法及び国際人権法に違反する犯罪であり、国際の平和と安全に対する脅威にほかなりません。」と訴えた。

 

国連は、この許すべからざる犯罪の大半が、国連が平和維持活動を実施している紛争地帯で発生していることから、紛争地帯で性暴力防止を任務とする「女性保護アドバイザー」の一団を派遣することを決定した。まずは、南スーダン、中央アフリカ共和国、コートジボワール、コンゴ民主共和国、マリ、ソマリアに派遣される予定である。

 

派遣先がアフリカ大陸に限定されることになるのかという記者の質問に対して、国連平和維持活動局/フィールド支援局のアンドレ=ミシェル・エスング広報官は、「派遣先について特定の地域に限定するという決まりはありません。たまたま当面の派遣先がアフリカ大陸の平和維持活動地域となっただけです。」「現在、女性保護アドバイザーの採用プロセスを進めています。」と語った。

 

人道支援団体「難民支援協会」で女性や少女の権利擁護に取り組んできたマーシー・ハーシュ氏は、「私たちは、国連に対して、女性保護アドバイザーを現地派遣する前に、十分な訓練を実施し、現地では既に活動を展開している諸団体と積極的に協力するよう促すような緊急対策をとるよう要請しています。また、紛争地で性暴力事件の捜査を担当する女性保護アドバイザーには、犠牲者の安全と尊厳を守っていくために、確固たる倫理・安全基準が備わっていなければならないと考えています。」と語った。

 

またハーシュ氏は、6月24日に国連安保理にて全会一致で可決された決議2106号(戦時下の性的暴行及び暴力禁止に関する新たな決議案)にも、「女性保護アドバイザー」に関連して、適切なタイミングでの派遣、適切な訓練の実施、様々な分野を跨った調整の必要性といった、「難民支援協会」の要請内容と一致する文言が含まれている点を指摘した。

 

ハーシュ氏は、この安保理決議に加えて、複数の国連加盟国からも、全ての政治・平和維持活動に対して「女性保護アドバイザー」を派遣すべきとの意見が出ている点を考えれば、「国連は、女性保護アドバイザーの展開に際して、必ず緊急に質的な向上をはかる措置をとるだろう。」と語った。

 

またハーシュ氏は、国連は、「女性保護アドバイザー」が性暴力事件の防止及び対策プログラムの基礎となる、時宜を得た、客観的かつ正確で、信頼のおける情報を収集するとともに、性暴力事件の被害者の安全と尊厳を守るような体制を構築していくだろうと期待している。

 

潘基文事務総長は、U.N. Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)と国連平和維持活動局DPKO)が、UNアクション(紛争下の性暴力問題に取り組む国連13機関のネットワーク)を代表して「史上初の具体的なシナリオに基づいた国連平和維持部隊向け訓練プログラム」を作成した、と語った。これは、これまでに国連平和維持部隊の一部(具体的には南スーダン、コンゴ民主共和国、ハイチに派遣された隊員の一部)による現地住民に対する性的虐待が確認された事態への対応策である。

国連はまた、紛争当事国の法制度と法的枠組みを強化する目的で、「法の支配・紛争下の性的暴力専門家チーム」を設立しており、同チームはこれまでに中央アフリカ共和国、コロンビア、コートジボワール、ギニア、ソマリア、南スーダン政府に対して、法律面における技術的なアドバイスを行っている。

 

紛争時における性暴力に関する国連事務総長特別代表のザイナブ・ハワ・バングーラ氏は、「国連は20年前に旧ユーゴスラヴィア諸国の広範な地域でレイプが組織的に行われている『決定的な証拠』を提供しました。」と指摘したうえで、「最近その内の一つで、内戦中に5万人の女性が性暴力の被害にあったとされるあるボスニア・ヘルツェゴヴィナを訪問したが、同国では今日に至るまでに、性暴力の容疑者が起訴されたケースはほんの僅かに過ぎないことがわかりました。」と語った。

 

「こうして、性暴力の被害者らは、過去に折り合いをつけて前に進むこともできず、引き続き恥辱に苛まれながら、人目を避ける生活を余儀なくされているのです。」

 

つい最近では6月下旬に、コンゴ民主共和国で幼い少女らが犠牲となったいくつかのレイプ事件について、国連は「全く受け入れられない。」との声明を出している。コンゴ民主共和国の南キヴ州では、生後18か月から12歳までの9人の少女が性暴力にあい、体中に深刻な傷を負った状態で病院に運び込まれ、そのうち2人が死亡した。

 

国連コンゴ民主共和国ミッションNUMOC)のロジャー・ミース特別代表は、これらの事件について、「こうした虐待は、村々から幼い子供を誘拐して結婚する(誘拐結婚)という有害な伝統的慣習と関わりがあると言われています。」と指摘したうえで、「しかし、このような暴力と虐待は全く受け入れられないものであり、終止符が打たれなければなりません。」と、語った。

 

また2012年には、コンゴ民主共和国東部のミノヤにおいて、135人の女性・少女が政府軍の兵士によって集団レイプされたとの報道が広範囲でなされている。

 

フランスのナジャット・バロー・ベルカセム女性権利相は、先月国連本部で開いた記者会見において、(性暴力のような)犯罪については、非難するだけでは不十分であり、犯人は起訴されるべきだ、と記者らに語りかけた。

 

「フランス政府は、こうした犯行が反乱軍兵士によるものか政府軍兵士によるものかに関わらず、このような残虐行為が起こっていることを深く憂慮しています。」とベルカセム女性権利相は付け加えた。(原文へ

 

翻訳=IPS Japan

 

 

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