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中国でアジアメディアサミット開催

【北京IDN=マドゥ・ダッタ】

 

5月25日から26日にかけて、北京でアジアメディアサミット(AMS)が開催された。このサミットは、政府間機関であるアジア太平洋放送開発機構 (AIBD)と中国の国家ラジオ・映画・テレビ局(SARFT)が国際機関と共催したものである。

中国共産党中央委員会中央宣伝局の劉雲山局長は、約800人の参加者を前に、このサミットのテーマは、「自らの将来に関するメディアの世界の考え方や懸念、さらには、メディアの責任に対する国際社会の注目と期待を反映したものである。」と演説した。

劉局長はまた、「中国メディアは、政府の積極的な支持のもと、正義を促進するため社会的責任を第一義に掲げ、世論を代弁し、現場からの正確な報道で人民に安心感を与え、情報への世論の監視を保障するよう常に心がけてきました。」と説明した。

 
 
しかし、こうしたレトリックには世界各地から参加したメディア関係者(メディア運営・記者)の間から疑問の声が上がった。今回のアジアメディアサミット(AMS)を国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)、国連環境計画(UNEP)と共催した、中国の三大マスメディア(『人民日報』、『新華社通信』、『中国中央電視台(CCTV)』)は、いずれも中国政府の強い影響下にあることは公然の秘密だからである。

研究者のアン=マリー・ブレイディ氏が2008年に出版した研究報告書によれば、中央電視台の記者らは、中国をポジティブなものとして描くようにつねにプレッシャーをかけられていたという。

「2005年8月には、中国である炭鉱事故に関する報道がなされたが、これが中国の国際的なイメージを傷つけるとして、外交部から警告を受けることになった。この事件後、編集部主任や記者らが自己批判文を書かされた」と、同研究報告書は指摘している。

一方、中央電視台に勤務する外国人記者はこの点に関して、「その当時から状況はずいぶん改善されており、その研究報告書で指摘された記者たちは解雇されることはありませんでした。」と語った。

劉局長は会場の参加者に、「中国政府はメディア・文化産業の発展を一層重視していきます。これによって中国のラジオ・テレビ部門に国際交流や国際協力など、様々な新たな機会を創出することになるでしょう。」と語った。

国際交流

劉局長はまた、「中国政府は諸外国のメディアとの国際交流や国際協力及び文明間の対話を促進していくための環境を整えていきます。」を語り、会場の各国メディア関係者の大きな関心を集めた。

「平等、互恵の精神に基づいて、全ての国のメディア、とりわけアジア・太平洋地域のメディアが報道コミュニケーション、人材、情報技術、ビジネス運営、経験の交換等の点で協力関係を強化するとともに、一層の相互理解を目指して各々の能力を共有していくことこそ、私たちが希望していることなのです。」と、劉局長は語った。

王太同中央宣言局次長は、「中国は、相互の信頼、調整、互恵の精神で世界各地域、国々のメディアと中国メディア間の交流や実際的な協力を模索しながら、諸国間の人民の理解と友情を促進し、世界平和の維持に努めるとともに、共通の開発を実現していきます。」と語った。

しかし劉局長は、「先約」があるとのことで、そのあと行われた国連の潘基文事務総長のメッセージ代読には立ち会わなかった。国連の赤坂清隆事務次長(広報担当)が代読したそのメッセージは、「表現の自由は世界人権宣言の第19条に述べられているとおり、基本的な人権です。国連は全世界でこの権利を擁護していきます。」と指摘していた。

「しかしこの地域(アジア・太平洋)を含む多くの国において、ジャーナリストたちは単に仕事をするだけで、脅迫、投獄や時には殺されるリスクを負わされているのが現状です。ある国々では、独立系テレビやラジオは放送する権利を否定されています。また、政府が新聞の印刷に関して高い税金をかけ裕福な人々のみが新聞を購読できるようにしている国々もあります。またその他にも、インターネットを検閲し、市民や市民記者を投獄している国々もあります。」

「どのケースも、基本的な人権の侵害に当たり、社会・経済開発を妨げていることに他なりません。国連は全ての国々において、メディアの活動を封殺するいかなる動きにも反対するとともに、国家当局の人権擁護の責任履行を追及している人々と協力します。」と、赤坂清隆国連広報局長はメッセージの代読を続けた。

潘基文事務総長の主張は中国だけに当てはまるものではないが、中国のことが念頭にあったのは明らかであった。

メディア政策

中国共産党中央委員会中央宣伝局の王次長は、サミット参加者に対して中国のメディア政策について説明した。
 
 
王次長は基調講演の中で「中国政府は国家の政治・経済・社会の進歩をはかるうえでラジオ・テレビの役割を大変重視しています。中国には251のラジオ局、272のテレビ局、2087のラジオテレビ局、44の教育テレビ局があります。そして中国は、ケーブル、地上波、衛星等の手段で、全国民の実にラジオで96.31%、テレビで97.23%に対する放送を実現しました。これは視聴者数でいえば世界で最大規模となるもので、素晴らしい成果です。」

「このネットワークは、単に情報を伝達し娯楽を視聴者のもとに届けることに止まらず、教育を促進し文化の多様性を保護し、社会の調和と進歩を促進するという重要な使命も担っているのです。」と王次長は語った。

また王次長は、「新たな環境とニーズに対応するため、中国は国内の現実的な状況に応じてラジオ・テレビ部門の改革を加速度的に推進していきます。とりわけ、中国はデジタル技術の活用を積極的に推進し、旧来メディアの改善、ニューメディアの開発、視聴者への浸透、放送セキュリティーの向上を図っていきます。」

今回で第11回を迎えるアジアメディアサミット(AMS)は、2010年5月25日~26日の2日間に亘って、初めて中国の北京で開催された。アジア太平洋放送連合(ABU事務局長に就任したアジア太平洋放送開発機構 (AIBD)のジャヴァド・モッタギ代表は、今回のサミットを「大成功であった」と評した。

次回のアジアメディアサミットについては、ベトナムの声(VOVが、AIBDに対してハノイで開催を申し出た。VOVは、大衆メディア全般を網羅した高品質の番組提供を心がけており、ベトナム内外に中波、短波を通じた放送を行っている。(原文へ

翻訳=IPS Japan戸田千鶴

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