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ネパールに逃げ込むチベットの人々

 

【カトマンズIPS=マーティ・ローガン】
 
国連によると、中国の国境警備隊に発砲されながらも43人のチベット人がネパールに逃げ込み、首都カトマンズに向かった。ネパールと中国の国境のエベレスト山から20km西にあるチョー・オユー山近くで、多数の登山者がこの事件を目撃した。

中国は1950年にチベットを侵略し、中国の領土として言語や宗教教育を含む地域文化を抑圧した。その結果、毎年平均2,500人のチベット人が、亡命したダライ・ラマの率いるチベット政府があるインドのダラムサラへと、ネパール国境越えを試みている。

|米国‐メキシコ|移民改革の期待をくじくフェンス

【メキシコシティIPS=ディエゴ・セバージョス】
 
激しい外交抗議や社会的流動の歴史にもかかわらず、米国議会は移民削減を目的としてメキシコとの国境に1,226kmのフェンス建設を決定した。メキシコ政府は即座に両国の関係を損なうものとして抗議し、他の中南米諸国や米国内のラテン系アメリカ人社会も同様の反応を示すものと思われている。

|アルゼンチン|司法がコンドルを捕らえる

 

【ブエノスアイレスIPS=マルセラ・バレンテ】

 

アルゼンチン法廷において、ついにコンドル作戦の罪を問う口頭審理が始まろうとしている。コンドル作戦は1970年代から1980年代にアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、パラグアイ、ウルグアイの軍事政権が反体制派と左派勢力の一掃を目的に展開したもの。

1976年にアルゼンチンでウルグアイの議員2人と市民4人、ボリビアのトーレス元大統領の死体が見つかった。ワシントンでチリの
アウグスト・ピノチェト大統領に追われた元外相が暗殺され、ブラジルではウルグアイの反体制派と家族が拉致され軍事政権に引き渡された。

|チリ|今こそ過去の人権犯罪の真相究明に乗り出す時

 

【サンチアゴIPS=グスタボ・ゴンザレス】

 

チリのO.Izurieta軍司令官は、亡命先のブラジルで死去したアルフレド・ストロエスネル氏(93)の訃報について触れ、ピノチェト元大統領の死後に訴追が行われる場合、軍は有罪であることが証明されるまでは法的に無罪であるとして、ピノチェト元チリ大統領に対して栄誉ある称号を授与すると明言した。

アウグスト・ピノチェト
(90)は現在、糖尿病や心臓疾患、痴呆症など健康問題を理由に人権侵害や公金横領などの罪に関して訴追免責を受けている。

|タイ南部|マレー系住民への抑圧続く

【バンコクIPS=マルワン・マカン-マルカール】

仮にタイ政府が、情勢不安のタイ南部においてマレー系ムスリムの人心を掌握しつつあると考えているのならば、ルソー地区の警察署敷地外で7月20日に起こった抗議活動をまずよく見て、自らの夢の達成まではまだまだ道のりが長いということを認識すべきだ。

サロ村から来た50名以上の人びとが、マレーシア国境に近いタイ最南端・ナラティワート県の同警察署前に集い、デモ活動を行った。報道によれば、同日早くに警察に拘束された4名の村人の釈放を要求するためであったという。その中には、ウスタッド(イスラム宗教の教員)である、アブドゥル・ラフマン・ハマさん(31)もいた。


警察は、ハマさんの逮捕に50万バーツ(1万2,500米ドル)の懸賞金をかけていた。2年前にこの地域において起こった発砲事件に関連があるというのが警察の言い分である。南部に住む平和活動家ソウリヤ・タワナチャイさんはいう。「その発砲事件のことは聞いたことがありますが、本当の話かどうかわかりません。もっと情報が必要ですね。この地域では無実の人々が捕まることがありますから」。


「こうした公然としたデモは、ムスリムの村人たちがいかに警察に対して不信感を持っているか示すものです」と語るのは、「
ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)に勤めるタイ人研究者スナイ・ファスク氏だ。「以前にもこうした逮捕に対して同じような人々の激しい反応がありました」。

南部3県において人口の約80%を占める、タイ最大のマイノリティのマレー系ムスリムと、タイ政府との間で溝が広がっている。現地で拡大する暴力を封じ込めるためにタイ政府が厳格な緊急事態命令を発してから1年が経った。


タクシン・チナワット暫定政権は、2005年7月19日に施行された同命令の効力を延長する決定を今週下したが、この決定が強い批判を招いている。こうした命令は逆効果であり、すでに不安定な情勢をさらに悪化させるというのだ。


「法外・略式・恣意的な処刑に関する国連特別調査官」のフィリップ・アルストン氏は、声明の中で、「治安部隊による暴力に対する免責は、タイにおいて継続している問題である。しかし、緊急事態命令によってさらに事態は押し進められ、免責がまるで公的な政策になってしまったかのようだ」「緊急事態命令によって兵士や警官が殺人の罪を逃れることができるようになってしまっている」と述べている。


この厳しい法のまた別の望ましくない側面に関する批判もある。「ヒューマン・ライツ・ファースト」(本部:ワシントンDC)は、緊急事態命令1周年に合わせて発表した報告書で、次のように書いている。「命令は、容疑者による弁護士選任権と、逮捕された事実を家族に知らせる必要性という憲法上の保障をないがしろにしている」「命令によって、当局は容疑者を逮捕後、起訴せずに30日間収監できるようになった。これは、戒厳令下の7日間、一般刑事手続法における48時間よりもはるかに長い」。


人権侵害を生み出すこうした風土に対する批判があやまりでないことは、タイ軍のある陸軍将官が4月に行った次の告白を見ればわかる。すなわち、マレー系ムスリムは、進行中の反乱行為の影にいる容疑者の名前を載せた当局作成の「ブラックリスト」を基にして逮捕されている、というのである。たとえば、昨年10月には、治安の乱れたナラティワート・パタニ・ヤラーの3県で4,000人近い名前がこの「ブラックリスト」に載っていた。


マレー系ムスリムの容疑者はまた、暴力行為との関連について南部の警察署に通報するよう「招かれ」たのちに逮捕されることもある。今年5月の時点で、900名もの少年・成人男性が当局によって収監され、「再教育」キャンプに強制連行されていた。


こうした法的なブラックホールは留置所における人権侵害を招きやすい、とHRWのスナイさんは言う。「『容疑者』の中には、暴力行為に加担したとの自白書に署名するよう圧力をかけられたり、留置所に連れてくるために地元の他の住民の名前を言わされたりする人もいるのです」。


こうした逮捕や、失踪した人々の話を聞かされていると、ヤウィと呼ばれるマレーの方言を話しイスラム教という異なった信仰を持つマイノリティは、タイ語を話し仏教を信じるマジョリティに対して不信感を持つようになる。ソンクラ王子大学(パタニ)のウォラウィット・バル教授(マレー研究)は、「政府は物事を解決するのに暴力を使おうとしている。緊急事態命令はよくない」と述べた。「ここに住むムスリムの人々は、恐怖を作り出す緊急令など必要ないと感じている」。


今週、タイ政府幹部は、身元不明の者による仕業である武装蜂起を鎮圧するために1年前に緊急法令が発布されたにもかかわらず、タイ南部における暴力行為は増加の一途をたどっていることを認めた。タイ政府は、暴力行為を引き起こしているとされるマレー系ムスリム集団の名前を定期的に公開している。


『タイ・デイ』紙によれば、チドチャイ・バナサティディヤ副首相が、「状況は改善しておらず、これからも爆弾テロがあるだろう」と述べたとされる。「暴力をエスカレートさせる要因はたくさんあり、諜報活動の強化を考えている」。


この紛争による死者数は、こうした暗い見通しを裏書きしている。タイ政府が緊急事態命令を発した時点で、2004年1月にムスリム系住民の多い県で暴力のサイクルが発生して以来、すでに800名以上が殺害されていた。しかし、今年7月中旬までに死者数は少しずつ増え、1,300名を越している。


さらに、6月中旬には爆弾テロがこれまでにはない規模で起こった。50発の小爆弾が政府施設と検問所近くで爆発した。この事件により、身元不詳の反乱勢力が自らの能力を大胆に見せつけたと考えられている。南部3県には、3万人の重武装兵に加え、1万人の警察官と約1,000人の心理戦エージェントが展開している。軍隊は、検問所を設け、装甲車で山がちの地域を巡回している。


このやまない暴力は、1902年以降伏在してきた紛争の最新の局面である。この年、シャム(タイの当時の名前)が、かつてムスリムの
パタニ王国の一部であった南部3県を併合したのである。2004年1月の紛争の爆発は1990年代の小康状態の後に起こった。タイ政府はこの時期、70年代以来同地域で活動していたマレー系ムスリムの分離主義的な反乱勢力を封じ込めることができていると考えていた。


マレー系ムスリムの学者であるウォラウィット氏は言う。「今日の状況は緊急事態法が施行された1年前と変わらず悪い。軍は、自らの望むことは何でもできる。政府は緊急令が機能すると考えているのだ」。(
原文へ


翻訳=IPS Japan浅霧勝浩



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米国はエジプトの人権侵害に目をつぶる

 

【ワシントンIPS=エマド・ミケイ】

エジプトが民主的な運動や反体制派を抑圧しているにもかかわらず、ブッシュ政権は来年度も20億ドルの財政支援続行を議会に要求している。下院の予算小委員会が政府の求める全額を承認したのは、カイロとアレクサンドリアで多くの反体制活動家がエジプト治安部隊に暴行を受けて逮捕された翌日のことだった。

米政府はエジプトにアラブ諸国の民主的改革を主導する役割を求めており、米国の戦略的利益のためにムバラク政権への援助は削減できないとしている。確かにエジプトは中東で米国に政治的軍事的に協力している。議会の公聴会で、元駐エジプト大使だったデビッド・ウェルチ国務次官補(近東問題担当)は、「エジプトとの戦略的連携はこの地域の米国政策のかなめである」と語った。

尊属殺人容認の部族集団に非難高まる

【ペシャワールIPS=アシュファク・ユスフザイ】

パキスタン・ヒンドゥークシ山中のある集落で行なわれたジルガ(村の長老の寄合)において、「尊属殺人」(名誉殺人ともいう)を警察に通報した者は死刑に処するとの決定が下され、これに対して人権団体などが猛反発している。

尊属殺人は、北西辺境州(NWFPにおいてイスラム教が広まる以前から現地の部族が守ってきた慣習で、姦通などの罪を犯した女性を家族が内々に処刑することを容認するものである。

パキスタン人権委員会によれば、1998年から2002年までの間に、1,339件の尊属殺が報告されている。もちろん実勢はこれよりはるかに多い。これらの事件のうち、逮捕された容疑者はわずか202名に過ぎない。

|開発|ジンバブエ|耕すべきか、耕さざるべきか

【ヨハネスブルクIPS=モイガ・ヌドゥル】

 

ジンバブエ政府が強制収用した土地での農業再開を白人にも認めたことがさまざまな反響を呼んでいる。「人殺しをし、農場から追い出し、国の経済を破たんさせてから、われわれに手伝えという」と批判的な白人農民もいるが、白人が多数を占める商業農家連盟(CFU)のD.テイラー-フリーム代表は問題解決につながる可能性があると考えている。

土地問題担当のフローラ・ブカ大臣は白人を含むジンバブエ人すべてが土地を申し込むことができ、これまでに500人の白人農民から申し込みがあったことを明らかにした。NGOの「農業の公正」によると、2005年のジンバブエ国内の白人商業農家は500以下で、2000年末の4,300から大幅に減った。2000年の議会選挙で与党ジンバブエ・アフリカ国民同盟・愛国戦線(ZANU-PF)が苦戦したときに農場襲撃は始まり、土地問題を選挙に利用した政府主導の襲撃だと非難が起きた。

土地を奪われた多くのジンバブエ農民は近隣諸国へ逃れた。ジンバブエのジョセフ・メイド農業大臣は改革政策の失敗による土地の再提供を否定しているが、「農業の公正」は没収した土地の利用はずさんで、与党高官の所有となった土地もあると報告している。

かつては南部アフリカの穀倉地帯だったジンバブエが、現在食糧不足に直面している。国連の世界食糧計画(WFP)によると1,300万の国民のうち400万人以上が食糧支援を求めている。米国が支援する「飢饉早期警戒ネットワーク」の2006年報告書は、気候に問題はないが収穫量の低下により食糧危機が続くとしている。さらにジンバブエのHIV感染率が20%となっていることも事態を悪化させている。

土地の没収がジンバブエの経済を停滞させ、燃料、主要農作物、外国為替の不足を招き、ジンバブエでは3桁のインフレが普通である。ジンバブエ共同市民社会組織のダニエル・モロケル代表は、「政府は過ちを認めようとしている」という。だが白人農民には土地を手にせず政府打倒を目指すべきという声もある。白人の手に農地が戻ってもジンバブエ経済を好転させるには時間がかかるだろう。農民たちは政府を信用していない。白人の土地の没収と貧しい黒人への分配は近隣諸国でも起きている。

ジンバブエの土地問題について報告する。

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩

|オーストラリア|アボリジニの女性・子供虐待に対する無関心

 

【シドニーINPS=ニーナ・バーンダリ】

 

国連の先住民問題常設会議(UNPFII)の第5回会合がニューヨークで開催される中、オーストラリアでは、先住民アボリジニ族の女性/子供に対する性的虐待および暴力の凄まじさが明らかになった。

北部地域訴追担当官ナネット・ロジャースが作成した機密報告書がリークされたもので、同氏は報告書の中で、先住民の文化、緊密な同族関係により社会に蔓延する女性/子供に対する暴力がこれまで公にされなかった事実を暴露している。

グアンタナモ収容所からの大量釈放によって明らかになる多くの過ち

【ニューヨークIPS=ウィリアム・フィッシャー】

 

今もなおキューバのグアンタナモで収容されている囚人の約3分の1を米国防総省がまもなく釈放する、という報道を見た米国のメディア関係者やブログの世界の人々は、グアンタナモの囚人は「最悪中の最悪」の連中だとしたラムズフェルド国防長官の2002年の声明を思い出したことだろう。

そして、つい最近の2005年6月にも、彼はこう述べている。「あそこにいる人びとのことでいえば、彼らはみな戦場で捕まえられてきた連中ばかりだ。彼らはテロリストであり、訓練役であり、爆弾を作っている連中であり、[新しいテロリストを]リクルートしている連中であり、資金集め役であり、[オサマ・ビン・ラディンの]ボディーガードであり、将来の自爆テロリストであり、そしておそらくは、9・11のハイジャック犯だ」。

ペンタゴンは、グアンタナモにいまだに収監されている人びとの約3分の1にあたる141名の囚人をまもなく釈放すると発表した。しかし、ペンタゴンは同時に、収容所の存在そのものやそこで取調官が囚人を選別する方法に関して、頑としてその正当性を主張し続けている。

 

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