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|アフリカ|あまり報道されない恐るべき実態‐男性のレイプ被害者の声

John is one of the victims of male rape in the Democratic Republic of Congo who was brave enough to speak out about his horrifying experiences. Credit: Moses Seruwagi

【カンパラIPS/SNS=モーゼス・セルワギ】

 

ここは東アフリカのウガンダにある病院。ここでは、プライドと自尊心を喪失し、深いトラウマに苛まれている男性のレイプ被害者達が治療を受けている。彼らは、自らの身に降りかかったこの恐ろしい犯罪について、率直にその時の経験を語ってくれた。

「以前は、レイプというと被害者は女性のみだと思っていました。今となっては、私は自分自身が分からなくなってしまいました。肛門と膀胱に常に痛みを感じますし、特に膀胱は水が内部に溜まって膨れ上がっているように感じます。自分がもはや男性だとは思えないのです。自分が将来、子どもを儲けるかどうかも分からないのです。」と、コンゴ民主共和国(DRCから逃れてきた27歳の難民男性(ジョン=仮名)は語った。彼は、内戦や部族間闘争が続くアフリカ大陸各地で数千人規模に及ぶと考えられている男性のレイプ被害者の一人である。

 
2009年1月14日、ローラン・ヌクンダ司令官に忠誠を誓う反政府勢力(人民防衛国民会議:CNDP)がコンゴ民主共和国北キブ州のジョムバ村を襲撃した。そこで6人の少年を含み10人の村人を拉致し、略奪行為を強制したのち、ビルンガ国立公園のジャングルの中にある基地に連れ去った。ジョンはその際に拉致された少年の一人である。

「私たちは9日間捕らえられていました。その時、武装勢力の指揮官が私と性交渉したいと言い出したのです。私は何を言っているのか理解できませんでした。すると指揮官は私を縛り上げるように兵士に命令し私をレイプしたのです。そのあと、9人の兵士が入れ替わり立ち替わり私をレイプしました。私の下半身は血まみれになり、ショックで意識を失いました。こうした行為が9日間にわたって繰り返されたのです。他の拉致された人たちの運命も同じでした。そしてこの虐待で少年の一人は死んでしまいました。」とジョンは語った。

それから2年経過し、ジョンは数十人の男女レイプ被害者とともに、ウガンダの首都カンパラにある難民法プロジェクト(RLPと呼ばれるトラウマカウンセリングセンターで治療を受けている。彼らは、DRC、スーダン、ソマリア、エチオピア、エリトレア、ブルンジなどアフリカ各地の紛争を抱えた国々より逃れてきたレイプ被害者である。

RLP
は10年前に開始されたウガンダの名門校マケレレ大学法学部による福祉活動で、スタッフがレイプ被害者の治療と精神面のケアを行っている。トラウマカウンセリングセンターはオールドカンパラと呼ばれる市北部の丘の上にあるコロニアルスタイルの住居用建物にあるが、地元ウガンダではその存在がほとんど知られていないのがユニークな点である。

男性のレイプ被害者のケアを担当しているRLPのサロメ・アティム氏は、今年初めから受け入れた男性のレイプ被害者のケースが約30件、主に紛争地帯から逃れてきた人達だったと語った。「彼らは自らの経験について話をしてくれた数少ない人たちです。ずっと多くの被害者が重い口を閉ざしたまま苦しんでいるのです。」
 
犠牲者の多くは自分たちを助けようとしてくれている医者や医療従事者に同性愛者ではないかとのレッテルを貼られるのを恐れてレイプ体験について語ろうとはしない。例えばソマリアのようなイスラム教国におけるレイプ被害者は、社会から犯罪者としてのレッテルを貼られるのを恐れてしばしば自身の経験について語るのを拒否する傾向にある。

「多くのアフリカ社会では同性愛の問題はタブー視されているため、被害者のジレンマをより深刻にしています。しかし、カウンセリングの結果、中には自らの経験について話をしようと考える犠牲者もいるのです。」とアティム氏は語った。

「一般に同性愛に対する認識が低く、同性愛者の話は聞こうとしない傾向があります。また、男性同士の性交は一般に犠牲者が同意の上の行為だと考えられがちなのです。また彼らは病院に治療にいくと医者から『それではあなたは同性愛者なのですね。』と声をかけられさらに傷つくことになるのです。だから彼らは重い口を閉ざしてしまう。私たちは時間をかけて彼らが自らの経験について話せるようになるようにカウンセリングしているのです。」とアティム氏は語った。

アティム氏の患者(ピエール=仮名)はDRCのブカブ市の学生だった。しかし2004年のある日、彼の一家が住む地域を支配しようとしていた多くの民兵組織の内の一つが、彼の自宅を襲撃し、彼と父親、そして兄弟が民兵に輪姦された。

「兵士の制服を着た一団が私の家に入ってきました。彼らは父の手足を縛りあげました。彼らはまた、兄の服を脱がし、私に兄と性交するよう命令したのです。私は拒否しました。」とピエールは当時の状況を思い出しながら語っているうちに泣き崩れた。

アティム氏に支えられて気持ちを持ち直したピエールは、「彼らは私の服を脱がすと、私の性器を小枝の間に挟み、繰り返し叩きつけました。さらに私の両足を押し広げると兵士が一人づつ抑えつけた体勢で、残りの兵士が入れ替わり立ち替わりレイプしていきました。」と語った。

アティム氏によると、ピエールはRLPに入ったとき自殺願望が強い患者で、それ以来、専門医による精神面のケアを受けている。

男性をレイプという手法は、多くの紛争地帯において戦争遂行のための兵器として幅広く行われている。また、刑務所においても男性のレイプは行われている。しかし、女性のレイプに対する注目が注がれている影で男性へのレイプ問題はほとんど報道されていないのが現状である。知られていることは、こうした男性のレイプ被害者は、回復過程で恐ろしい諸問題に直面しているというということである。

野球帽で顔を隠して取材に応じてくれたジョンは、未だにレイプによる傷が治っていないことから歩くのに苦労しているという。「長い距離歩けば、肛門から血が流れ出してきます。また、キャッサバのような硬い食材を食べると、排せつ時に直腸が外に飛び出してくるのでトイレに行くのに苦労しています。」(原文へ

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩

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