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水はスマートな都市拡張の命綱(ストックホルム国際水研究所所長アンダース・バーンテル氏インタビュー)

Anders Berntell Credit: Courtesy of SIWI

【国連IPS=タリフ・ディーン】

 

2050年、世界の都市に住む人口は、現在の世界全体の人口と同じ60億人にまで拡大するとみられている。このような状況の中で、都市はいったいどうやって水を確保するのか。とりわけ、世界の都市拡大のうち95%を占めるであろうといわれる途上国においてはどうなのか。IPS国連総局のタリフ・ディーン記者が、ストックホルム国際水研究所のアンダース・バーンテル所長に聞いた。

Q
:急速な都市化が水の供給に与える影響は今後どれだけ深刻なものになるでしょうか。

A
:おそらく、対処すべきより重要な問題は、水がいかに都市の成長に影響するのかということです。それは、都市が今日どのような選択を取るのかということによります。短期的、中期的、長期的にきちんと計画を立てている乾燥地帯の都市は、水不足による災害や経済的な損失を避けることができるでしょう。

 
各々の都市は、旱魃や洪水に日頃から備え、いざという時に損失を回避するという賢明な方策を選ぶことができます。また、排水溝から環境汚染物質を垂れ流す代わりに、街中の水を循環、浄化、再利用することで全体として都市に利益をもたらすという選択も可能なのです。

Q
:国連は、都市住民を水不足の脅威から守るにあたってどのような役割が果たせるでしょうか。

A
:国連はすでに、知見の蓄積や資源の動員において一定の役割を果たしています。それによって都市は、水管理、持続可能な水と衛生施設の改善、災害への耐性向上などを図ることができるのです。

国連ハビタット
や国連開発計画(UNDP)、国連国際防災戦略事務局(UNISRD)国連環境計画(UNEP)、世界気象機関(WMO)、世界保健機関(WHO)などの組織がとりわけ大きな影響力を与えています。

Q
:差し迫った災害を避けるために各国政府がすべきことはなんでしょうか。インフラへの投資でしょうか?健全な水管理でしょうか?

A
:まず、問題解決型の思考から、解決策を事前に計画する思考に変えることです。問題解決型とは、水不足が起きるのを待ってからそこに新しい水を供給する、といったやり方のことです。

しかし、今日多くの場所で行われている「水不足に対処するために水を移動する」というやり方は、今後は機能しないでしょう。なぜなら、それは例えれば、体重が増加した際に大き目のベルトを購入することで対処するようなもので、都市にとっても環境にとっても、健全な解決策とはいえないものです。

私たちはこれまで以上に、水に対する投資をしなければなりません。今のままでいけば、水需要は向こう20年以内に地球の供給能力を40%超える可能性があります。大規模に水を使用するほとんど全ての当事者は、一層の効率化につとめるとともに(河川や海の)水質汚染を防ぐための技術や水処理の方法に、さらなる投資ができるはずです。

経済協力開発機構(OECD
は、何よりも電気、輸送、テレコミュニケーション分野を含むインフラ(経済基盤)の新設・改善により多くの資金が必要になるだろうと予測しています。

こうしたインフラへの投資は、長期的な都市の経済成長、美観整備、環境にやさしい雇用創出へとつながります。どのような技術を選択するかは各々の都市をとりまく環境にもよりますが、こうした投資に対する短期・中期・長期における費用対効果は有望なことから、今から行動をおこすことが求められます。

おそらく、持続可能な発展を実現するためにもっとも重視すべきことは、水とエネルギー、食べ物の管理を改善することでしょう。エネルギー生産のための水使用の効率化を図り、水再利用によってエネルギーを生産し、食物利用の無駄を省く機会は無数に存在します。

そうすれば水資源を大幅に節約することが可能となるだけでなく、増加し続ける都市人口を支える能力を向上させ、結果的に都市そのものを活性化することが可能になるのです。(原文へ

翻訳=山口響/IPS Japan戸田千鶴

 

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