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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

世界保健機構がインド製のHIV治療薬を承認する

 

【ジュネーブIPS=グスタボ・カプデビラ】
 
インドのRanbaxy Laboratoriesが製造している7種のノーブランドの抗レトロウイルス薬(ARV)が世界保健機構(WHO)の承認薬として認定された。WHOは声明で、「今回の新たな承認は低所得国において安価で上質なエイズ治療薬を入手可能にしようとする取り組みに拍車をかけるものとなる」と述べた。

同じくインドのAurobindo Pharmaが製造している3種の抗レトロウイルス薬もWHOの承認薬として認定された。Aurobindo Pharma社もRanbaxy社と同様にノーブランドの抗レトロウイルス薬(ARV)を製造している。

 
欧米の大手製薬会社は、自社が特許を持つ薬のコピーを低コストで生産したノーブランドのコピー薬(「後発医薬品」または「ジェネリック医薬品」という)は効果が信頼できないとするキャンペーンを行ってきた。これに対し、エイズ撲滅運動に参加している非政府組織(NGO)は大手製薬会社のキャンペーンを糾弾していた。大手製薬会社はこのキャンペーンによって、インドやブラジルなどの発展途上国で製造されたコピー薬は品質が劣っている、あるいはむしろ危険だという悪評を世界中に広めようとしていると、エイズ撲滅の活動家やコピー薬のARVを製造する会社はみている。

世界貿易機関(WTO)設立協定の附属書1Cである知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)では、エイズ蔓延のような公衆衛生の非常事態が生じた場合に発展途上国は製薬会社に特許の強制実施許諾を与えて特許料を支払わないコピー薬の製造を許可してよいとしている。

WHOの女性広報官であるDaniela Bagozzi氏は「Ranbaxy社が製造したコピー薬、その他WHOに承認されたコピー薬は100%安全である」と強調し、それらの薬の使用に対して慎重になるべき根拠はもはやないと語り、WHOは良質なエイズ治療薬を手に入れる権利が富裕国に住んでいる人だけにあると考えていないと強調した。
 
 
WHOが1年前に行った事前審査ではRanbaxy社のコピー薬のうちの三種は特許を持つオリジナルの医薬品と同等の効果があることが証明されなかったとされ、この三種のコピー薬はWHOが承認する薬のリストからはずされていた。これを受けてインドの主要な製薬会社であるRanbaxy社は11月に、同社が製造しているARVのコピー薬すべてをWHOの承認薬から外すことにしていた。

ARV薬はエイズの症状の進行を遅らせることで、エイズ患者の寿命を伸ばすことができる。抗レトロウイルス薬(ARV)は、レトロウイルスであるHIVを攻撃することからこの名がつけられている。

WHOによると、昨年Ranbaxy社の薬がWHOの承認薬リストからはずされたのは、同社が生物学的等価試験を依頼した研究所を監査したところ、研究所の検査方法がWHOによって要求される国際基準に適合しないことが明らかになったからである。この生物学的等価試験は、コピー薬と特許を持つオリジナルの薬との生物学的等価性を確認するために行われる。

しかしWHOは19日、「Ranbaxy社は別の研究所にあらためて生物学的等価試験を委託し、その後でWHOはその研究所の徹底した監査を行い、薬の品質、安全性、効果についてもあらゆるチェックを行ったが、研究所も薬もすべて満足のいくものであると分かった」と述べた。

WHOは2001年に、品質・安全性・効果に関する統一基準に適合したエイズ、マラリア、結核の薬が手に入りやすくすることを目的として、薬の事前審査プロジェクトを立ち上げた。コピー薬はこの事前審査で一度承認されても3年後に、必要であればそれよりも早く、再び審査を受けることが定められている。医薬品に関する事前審査に関して、100カ国以上の医薬品監督機関から構成されているInternational Conference of Drug Regulatory Authorities(ICDRA)は、2001年と2004年にこの制度を継続すべきだとWHOに正式に勧告している。

サハラ以南のアフリカ諸国では、平均して人口の7.4%がHIV感染者となっており、エイズは主要な死亡要因となっている。世界全体では3900万人が2004年末時点でHIVに感染しており、51万人の子供を含む310万人が2004年にエイズのため死亡している。

中・低所得国に居住する650万人の人々が抗レトロウイルス薬を必要としているとWHOは見積もっており、インドで製造された10種のARVのコピー薬が承認されたことは、現行のエイズ対策と治療薬の調達計画に大きな恩恵となると考えられる。この承認によって「薬を管理し監視する能力に乏しい国で使用できる良質なARV薬の種類を増やし、エイズに苦しむ国でARV薬が手に入りやすくなる。」とBagozzi氏は語る。

WHOに承認されたRanbaxy社の薬は、LamivudineLamivudine/StavudineZidovudineLamivudine/Stavudine/Nevirapineを組み合わせた7種の複合薬である。Aurobindo社が製造する薬は、LamivudineZidovudineの錠剤である。

Ranbaxy
社は「今回の画期的な展開によってARV薬の供給が進み、発展途上国でも安価なARVのコピー薬が手に入れやすくなり、エイズ治療は急速に進展するだろう」とニューデリー近くのグルガオンにある本社でコメントを発表した。Ranbaxy社のCEOであるブライアン・テンペスト氏は、自社の薬がWHOの承認薬として認められ、さらに先立ってUSFDA(米国食品医薬品局)にも承認されたことについて、「エイズ患者は国の助成制度に関わりなく確実に良質なARVのコピー薬を使用できるようになるだろう」と語った。(原文へ
 
翻訳=IPS Japan