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母になることを強いられるニカラグアの少女妊婦たち

Girls at a rural school in Nicaragua. Credit: Oscar Navarrete/IPS【マナグアIPS=ホセ・アダン・シルバ】

 

13歳で妊娠したカルラ(仮名)はすべてを失った1年目の中学生活も、家族も、恋人も、そして自分の幸せも。彼女は、ニカラグアの首都マナグアの路上で1年間物乞いの生活をした末に、若い母親のためのシェルターに保護された。

彼女の生活が一変したのは2006年12月のこと。小学校の教員にレイプされたカルラが妊娠3か月であることを母親が発見したのだ。母はカルラをベルトで打ちすえ、家族をもう一人養う余裕はまったくないと言って、家から追い出した。

 
身重のカルラは隣人の家に身を寄せたが、食事を与えられず、街頭でお菓子を売ったり、バスの停留所で物乞いをしてしのいだ。お金やドラッグ、食べ物と引き換えに体を売ることを求める男たちからの嫌がらせに悩まされる日々だった。カルラはやがて出産したが、赤ちゃんは呼吸器不全による死産だった。

カルラは当初、国際的な子ども支援団体「コブナント・ハウス」(本部:ニューヨーク)のラテンアメリカ支部である「カーサ・アリアンザCasa Alianza)」によって保護された。その後15才で学校併設のシェルターに移り、そこで美容術を学んだ。現在19才のカルラは、美容部門で働きながら、彼女が「私の命を救ってくれ、私にも人権があることを教えてくれた所」と呼ぶシェルターで、今度はボランティアとして、かつての自分と同じような境遇にある若い母親たちに支援の手を差し伸べている。

カルラには、危険に晒されている子供や青少年への支援を行っているNGOの紹介で取材を行ったが、彼女のような事例は、事情に関わらず中絶を一切認めていないニカラグアで、大きな割合を占めるようになっている。
 
人口580万人のニカラグアでこの10年間に公的な医療体制の中で生まれた子どもは130万人だが、このうち36万7095件は少女によるものであり、さらに17万2535件は14才以下の少女によるものである。つまり、出生のうち13%が14才以下の母によるものだということになる。

世界的な子ども支援団体「プラン・インターナショナル」ニカラグア支部のオスマニー・アルタミラーノ博士によれば、ニカラグアにおける若年妊娠の問題は依然として深刻だが、改善しつつあるという。

「2000年現在、出産全体に占める思春期の少女の割合は31%でした。ニカラグアにおける十代妊娠の割合は、依然としてラテンアメリカ最悪であると同時に世界最悪レベルではあるものの、以前より改善してきています。」とアルタミラーノ博士は語った。

ラテンアメリカ・カリブ地域人口センター
が2007年に発表した報告書によると、ニカラグアにおける十代の妊娠率はラテンアメリカで最悪の数値であった。

ニカラグアにおける出産年齢(10歳~49歳)人口は女性人口全体の65%を占めており、そのうち37%が10歳から19歳の少女である。

アルタミラーノ博士は、ニカラグアにおける10代の妊娠問題の背景には、貧困の再生産サイクルがあるという。貧困下にある少女たちは子どもを産むのに必要な身体が十分出来上がっておらず、赤ちゃんも低体重であることが多い。また博士は、そうした少女達の47%が義務教育を終えておらず、事実上教育を受ける権利を失った状態に置かれている現状を指摘した。

「彼女たちの多くは、専門的な訓練や経験を一切受けていないため、不利な条件の仕事を探さざるを得な立場に追い込まれます。一方、家族に見放されて通りに投げ出され、結果的に性的搾取の犠牲者になるケースも少なくありません。」とアルタミラーノ博士は語った。

世界保健機関(WHO
が2009年に発表した統計によると、毎年15歳から19歳の1600万人の少女が出産しており、この数値は世界における総出産数の11%を占めているという。

マナグアでストリート・チルドレンの保護に取り組む団体「キンチョー・バリレーテ協会」のカルラ・ニカラグア氏によれば、2011年に行われたある調査で、マナグアの十代の妊婦のうち60%が、親せきや同級生、隣人、さらには父親によって性行為を強要されたと答えたという。

ニカラグア社会では、妊娠・出産することは当然だという考えがあり、女性は出産を法的に強要されるという背景があるという。同国では、依然として、いかなる理由があっても妊娠中絶は法的に禁止されている。

ニカラグアでは、14才未満の子どもと性的関係を持つことは、たとえ本人の同意があったとしても、レイプとみなされ、12~15年の懲役を科すと法定している。しかし、2011年に発表された報告書「ニカラグアにおける性暴力に関する統計」によると、レイプ被害者の約40%は、司法制度を利用できる状態にはなかった。

この報告書では、政府の法医学研究所(IML)と国家警察婦人・子供課(the Comisaría de la Mujer y la Niñez)の記録が比較検討された。

同報告書は、IMLが2011年におけるレイプ被害者の法医学検査データとして総計4409件を報告しているのに対して、国家警察婦人・子供課は、検察官に取り上げられた僅か2047件しか記録していなかった。

IML
の記録によると、法医学検査が行われた少女達の85%が未成年の少女であった。そのうち、36.5%が、13歳から17歳の少女達、49%が12歳以下の少女達であった。(原文へ

翻訳=IPS Japan

 

 

 

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