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西側諸国の主要な武器売却先、アラブ首長国連邦

【国連IPS=タリフ・ディーン】

エネルギー資源豊富なペルシャ湾岸の国・アラブ首長国連邦UAE)は、この5年間にわたり、米国から64億ドル、フランスから20億ドル、計84億ドルの兵器を購入している。そのほとんどは最新型の戦闘機だ。80機の米国製F-16E/F戦闘機の引渡しは、2007年にならないと完了しない。この契約は、中東国家相手の単一の兵器移転契約としては最大のものであり、2000年3月に結ばれた。

2月中旬、UAE[を構成する一首長国であるドバイ首長国]の保有する企業が米国の6つの港の管理権を取得しようとし、これを阻止する動きが米国内に起こった。しかし、ジョージ・ブッシュ大統領はこの動きに対して拒否権を発動するとの牽制をかけている。こうした大統領の態度は、米・UAEの政治的・軍事的関係の重要性を物語っている。

テロリスト侵入の可能性があることから、アラブ国家所有の企業に対して米国の港の管理権を譲り渡すべきでないとの強迫観念が高まり、この取引への超党派的反対論が強まってきた。にもかかわらず、ブッシュ大統領は、UAEはグローバルなテロとの闘いにおける米国の強力な同盟国であると主張している。ブッシュ氏はまた、テロの恐れがあったとしても、米国の港・海運ターミナルの監督を中東の企業に任せることに何ら問題を感じていない。

しかし、長い歴史を持つこの二国間関係に関する同じく重要な事実は、UAEが、米国のみならず、西欧におけるその同盟国、とりわけフランスとイギリスにとって、兵器の成長市場であるということだ。

兵器市場に関する情報提供企業の大手である「フォアキャスト・インターナショナル」(本社:コネチカット)の中東問題専門家トム・バラノースカス氏は「UAEの兵器市場は米国にとって非常に重要なものです」と語る。「最新世代のF-16E/Fの注文80機というだけでも」米国からの巨大な購入契約となる。「おもしろいことに、この契約はまだ完了していないのに、これらの戦闘機の更新がすでに検討されているんです」。

[しかし、]すでに引き渡された戦闘機の更新と維持、および兵器の新契約は、米・UAEの軍事的関係が継続しなければ無理な話である。

だが、バラノースカス氏は、UAEの兵器調達の優先順位が変わりつつあると指摘する。「この方針転換により、米国の競争力がそがれ、米国よりも欧州諸国が優位に立つかもしれません」。

UAEは、フランスのミラージュ戦闘機のほかに、ブリティッシュ・アエロスペースの訓練/陸上攻撃機「ホーク100」を36機、ドイツから戦艦を4隻、オランダからフリゲート艦を2隻購入している。加えて、フランスは、約400台の戦車(約38億ドル相当)をUAEに供給している。

UAEは、わずか5~6万の兵力しか持たない国としては、世界でも最も装備の整った軍隊を持つ国だと考えられている。米国からの軍事援助も全く受けておらず、すべての兵器購入に対してドル[と交換可能な通貨]で支払っている。2月初めに米国務省が発表した数値によると、2005年の米国からの軍事装備購入は65万ドルを超えるとみられ、これが2006年にはさらに約19億ドルにまで伸びると予想されている。

フォアキャスト・インターナショナルによれば、2006年度のUAEの軍事予算は約37億ドルになると見積もられている。ちなみに、中東最大の防衛予算を持つサウジアラビアが202億ドル、イスラエルが99億ドル、イランが79億ドル、クウェートが49億ドルとなっている。

UAEは、世界第3位の油田保有国、世界第5位のガス田保有国であり、人口一人当たりの収入は1万7,000ドルを超える。石油による収入は、GDPの30%、国家歳入の75%を占める。また、世界市場における前例なき石油価格の高騰により(1998年に1バレル当たり約12ドルだったのが、2月中旬には65ドルに)、UAEのような国々の購買力は増している。

バラノースカス氏は、「UAEの装備リスト、とくに戦闘機を見てみると、兵器供給源としての米国への依存度がきわめて高いことがわかります」と語る。

しかし、同時に明らかなことは、UAEが「全ての卵をひとつのカゴに入れている」わけではないということだ。その証拠が、フランス・イギリスからの兵器システム購入である。「もし、現在の[米・UAE関係の]もつれが将来的にどんな影響を与えるかを無理に推し量ってみるならば、UAE側に兵器供給先をさらに多様化しようとの欲求が増してくるといえるだろう」。すなわち、米国への過度の依存から脱却するということである。「空中早期警戒機『ホークアイ』の購入契約は、安全通信技術の『リンク16』を完全移転することを米国が拒んだために頓挫したが、これにUAEが不満を抱いていることがすでに見て取れるだろう」とバラノースカス氏は付け加えた。

またバラノーカス氏はこう説明した。「欧州系企業は、伝統的に、取引相手に何の制約もかけずに兵器を売却する傾向が強い。しかし、ハイテク装備を購入する資力があり高度な装備を持った軍事国家は、完全装備の兵器を供給することを米国が拒否しているために能力の限界まで使用することのできないシステムを買うことになど満足しないだろう。一方で、イスラエルはそうした完全装備型の兵器を通常受け取ることができるのです。ここには二重基準があり、そのことはしかるべく記憶にとどめられています。のちのち[アラブ諸国への兵器受注をめぐって]競争が起こったときに、そのことが思い出されることになるでしょう」。(原文へ

IPS Japan

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