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|エジプト|ピラミッドは不況の上を行く

 

【カイロIPS=カム・マックグラス】

 

観光はエジプト経済にとって国内総生産の約7パーセント、雇用の12・6パーセントを占める重要産業である。2008年度の収入は、前年比15パーセント増の128億ドルを記録した。しかし、世界金融危機による経済不安と主要マーケットであるロシア、英国、ドイツ、イタリアなどの通貨安でブームが弾けるのは時間の問題との不安が広がっている。

エジプト観光連盟(ETFのアーメド・エル・ナハス会長は、「深刻な事態と考えていたが、1月から3月の売上は昨年比で約12パーセント減に止まっている」と言うが、紅海沿岸のリゾート、ハルガダとシャルム・エル・シェイクのホテルでは、最近の客室占有率は最高40パーセントの落ち込みを見せているという。ホテルは料金の値下げや長期滞在者に対する特別料金提供などを行っているが、全体の1/4を占める契約社員の一時解雇に踏み切ったホテルも多い。

 
シャルム・エル・シェイク
のラディソンSASリゾートの予約担当責任者は、客室占有率が昨年比で20パーセント減となった時点で料金を引き下げたと語る。しかし、同氏は、小額の引き下げは良いが、大幅値下げは価格戦争を引き起こし長期的な損失をもたらすだけと主張する。エジプト観光連盟(ETF)は、ホテル業界に対し値下げを控え、サービスの向上や特別優待を提供するよう指導した。

3月の業績は多少上向いたが、専門家は、金融危機は更に続くと警告している。世界旅行産業会議(WTTCは、今年の観光産業の落ち込みは過去数10年間で最悪の3.6パーセントに及び、1千万人の雇用が失われると予測している。


エジプト政府は最近、観光会社救済のため、水上ホテルのドッキング料金値下げやホテルの宣伝費無料化などの策を打ち出した。また民間航空省は、チャーター機の離着料を値下げした他、特定の路線でチャーター機の空席コストを負担することに同意している。


エジプト最大の旅行会社イシス・トラベルの西ヨーロッパ担当者ハテム・カファギ氏は、西ヨーロッパ諸国からの予約は約30パーセント減少しているが、全体的な落ち込みは予想を下回ると語る。同氏によれば旅客は、最終料金を求めてぎりぎりまで待つ傾向にあるという。
 

 
エル・ナハス氏は、エジプトは渡航に10時間、15時間を要する極東と違い、ヨーロッパの殆どの都市から3時間の距離にあり、物価の安い所としても知られると述べ、地の利の優位さを強調するが、問題は不況が更に悪化すると見られる夏だ。気温の上がる夏に競争相手のスペイン、トルコとどう戦うか、これがエジプト観光業界の試練となる。


世界不況の中、旅客獲得に苦慮するエジプト観光業界について報告する。
原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩
 
 
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