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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER
|対外援助|国益最優先の政府と国民との間に温度差

【シドニーIPS=ニーナ・バンダリ】


オーストラリアの国民の多くは、対外援助を貧困削減と持続可能な開発を目的に行うべきであると考えている。しかし、国会議員の大半は商業的利益に即した対外援助を目指しているようだ。オーストラリアのNGO団体AID/WATCHは5日、ニューサウスウェールズ議会で対外援助政策に対する国民と政府との考え方には大きな開きがあることを指摘した。

MDG(ミレニアム開発目標)によると、途上国は2010年までに政府開発援助(ODA)を国民総所得(GNI)の0.5%、2015年までには0.7%にするという目標を掲げている。

一方、オーストラリア政府は2010年までに援助総額を32億米ドルにまで増やすとしているが、対外援助の割合としては僅か0.36%に過ぎない。2006年から2007年にかけて、同国のODA総額は23億ドル(GNIの0.3%)で、OECD加盟国22カ国中19位である。

|アルゼンチン|Madres de Plaza de Mayo、スラムに住宅の夢を届ける

 

【ブエノスアイレスIPS=ルシアナ・ペカール】

 

Madres de Plaza de Mayoのシンボルである白いスカーフのマークが付いた青の作業服を着た男女約300人のスラム住民が自らの新居そして新たな人生の建設を行っている。

人権擁護団体・Associacion Madres de Plaza de Mayoの活動家は、軍事独裁政権時代(1976-1983)に姿を消した反政府の息子や娘達に何が起こったのかを明らかにしようと30年に亘る活動を続けてきた。


人権擁護活動で世界的に有名なMadres(母親)は、活動の範囲を広げた。彼らは昨年、アルゼンチンでは「villas miseries(悲惨な街)として知られるスラムに住宅を建設する活動を開始したのだ。


10月16日、Ciudad Oculta(隠された街)として知られるブエノスアイレス南ビラ・ルガノにおける第1プロジェクトを、280人のスラム住民と共に立ち上げた。同プロジェクトに参加した280人の労働者の内半数は女性である。


彼らは、36ユニット、2棟の住宅建設を行っている。3部屋で構成される1ユニットの面積は62平方メートルで、浴室、台所、給湯/集中暖房装置が付いている。

|ケニア|農産物に価値を付加して収入確保

 

【ナイロビIPS=ジョイス・ムラマ】

東アフリカのケニアでは、政府統計によると国民の8割が生活の糧を直接農業から得ている。しかし、農作物に価値を付加することができないため、思うような収入を上げることができずに困窮する農民も少なくない。

「アフリカ人造り拠点」 AICADAfrican Institute for Capacity Developmentは、このような農民の苦難を克服するために技術支援を行っている。これはケニア、ウガンダ、タンザニアの3カ国と日本政府が支援する独立行政法人国際協力機構(JICAの合同プログラムである。

AICAD
はケニアの首都ナイロビの北ジュジャ(Juja)所在のジョモケニヤッタ農工大学(Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology)に本部を置き、技術開発によるアフリカの貧困削減を目的に活動している。

|政治|国会議員、民主主義がアフリカの土壌に合うか議論

【ナイロビIPS=ジョイス・ムラマ】

 

5月7~12日、ケニアの首都ナイロビで世界議員連合(Inter-Parliamentary UnionIPU)会議が開かれた。(IPUには世界140カ国の議員が参加。)ウガンダのGurmisiriza議員は、定期的な選挙は、アフリカの継続可能な開発には相応しくないとの意見である。同氏は、「西側の目には独裁者と映っても、結果が良ければ、民主的と呼ばれる定期選挙より良いのではないか。その意味で、独裁者と民主主義の定義を改める必要がある」と語っている。

ウガンダではアミン、オボテの独裁政治の後、ムセベニ氏が大統領に就任。政治/経済の安定化、HIV予防、人権向上などで成果を上げている。しかし、議会が昨年、大統領任期制を廃止したことから、国際支援国/人権団体は、政治の腐敗に繋がるとの批判を強めている。(世界銀行コンサルタントは、政府の腐敗、同族政治が蔓延しているとして、援助の削減を要求したという。)一方、ケニアのマガラ議員は、「リーダーの資質が良いといっても、人は怠惰になりやすい。定期選挙は、ガバナンスに対する警鐘となる」と語っている。

|開発|ジンバブエ|耕すべきか、耕さざるべきか

【ヨハネスブルクIPS=モイガ・ヌドゥル】

 

ジンバブエ政府が強制収用した土地での農業再開を白人にも認めたことがさまざまな反響を呼んでいる。「人殺しをし、農場から追い出し、国の経済を破たんさせてから、われわれに手伝えという」と批判的な白人農民もいるが、白人が多数を占める商業農家連盟(CFU)のD.テイラー-フリーム代表は問題解決につながる可能性があると考えている。

土地問題担当のフローラ・ブカ大臣は白人を含むジンバブエ人すべてが土地を申し込むことができ、これまでに500人の白人農民から申し込みがあったことを明らかにした。NGOの「農業の公正」によると、2005年のジンバブエ国内の白人商業農家は500以下で、2000年末の4,300から大幅に減った。2000年の議会選挙で与党ジンバブエ・アフリカ国民同盟・愛国戦線(ZANU-PF)が苦戦したときに農場襲撃は始まり、土地問題を選挙に利用した政府主導の襲撃だと非難が起きた。

|スリランカ|「政治的な津波」が津波被害からの復興作業を脅かす

【コロンボIPS=アマンタ・ペレラ】

 

昨年12月の津波(海岸線の4分の3を襲い同国の船舶の半数〈16,479隻〉を破壊、約31,229人の死者と4,100人の行方不明者、80万人の被災者を出した:IPSJ)からほぼ半年が経過した6月24日、チャンドリカ・クマラトゥンガ政権は、人民解放戦線(PLF)等の国内の強い反対を押し切って、津波被災者救援のためのLTTE〈タミル・イーラム解放の虎:通称タミールの虎〉とのジョイントメカニズムに署名した。

これにより、国際社会からの津波被災者支援受け入れ作業は進展するものと思われるが、同時にクマラトゥンガ政権は、LTTEとの連携に強く反発する国内政治勢力との厳しい対決――「政治的な津波」を覚悟しなければならない状況に追い込まれている。


スリランカでは、津波被災地に反乱軍が実効支配する北東部が含まれており、国際社会の祖国復興支援(援助表明額は30億ドルにおよぶ)を受けるには反乱軍とも提携した援助物資が被災者に行き渡るメカニズムの構築が必要とされている。一方、スリランカからの分離独立を主張している反乱軍勢力(20年の内戦で65,000人が死亡)との提携には、政権内外からの反発が大きく(PLFはLTTEとの交渉に抗議して6月16日連立政権を脱退、これにより連立与党は議会の多数議席を失っている)、同大統領は難しい政局運営を迫られていた。


しかし、包括的な援助受入計画の欠如から、折角の莫大な援助資金も活用できず、6ヶ月を経ても遅々としてすすまない復興状況(6月8日現在、9480世帯が依然としてテント生活を強いられている)に加えて、国際社会からのジョイントメカニズムを支持する声(米国津波特使クリントン前大統領も5月に被災地を訪問してメカニズムを支持)等にも後押しされて今回の合意に踏み切ったとみられている。ジョイントメカニズムの合意により津波被災者救援への道筋が開かれる一方で、連立政権の足元を揺るがす「政治的な津波」を抱え込んだクマラトゥンガ政権が直面している諸課題を報告する。(
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翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩


関連記事:

|スリランカ|公式HIV/AIDS感染者数は少ないが、リスクは高い



|スリランカ|津波の影響|被災者の声:援助の表明は相次ぐものの、家はいったいどこに建つのか?

 

【ハバラドゥワIPS=アマンサ・ペレラ】

 

ピヤセナは68年の人生の中で、過去5カ月間ほど悲惨な経験をした時期はなかった。彼は昨年12月26日の津波(約30,000人が死亡、100万人が国内難民となった)で娘を失い、半壊した家(テントを張って雨をしのいでいる)に妻と取り残された。

先週(5月17日閉幕)、スリランカ開発フォーラムに参加した援助供与国・団体はスリランカの津波被害の再建支援として前例のない30億ドルの供与を約束したが、ピヤセナのように、遅々として進まない被災地の復興計画の下で、未だにテント生活を強いられている多くの被災者にとっては、現実に住宅が再建されない限り国際社会の支援を実感することはできない(5月15日現在、津波被災者向け住宅として建設予定の77,561棟中、実際に建設されたのは僅か119棟に過ぎない)。最貧困層を直撃したスリランカにおける津波被害の影響と、国際社会の援助表明にも関わらず復興作業が遅々として進まない被災地の現状を報告する。(
原文へ


翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩



関連記事:

|津波の影響|津波被災からの復興は未だに途方もない取組みである

欧州連合、開発援助へのコミットメントを試される

【ブリュッセルIPS=ステファイニア・ビアンキ】

 

欧州連合の閣僚級会合(外相及び開発担当大臣)が5月24日から開催され、国際開発援助額(ODA)の国民総収入(GNI)に占める割合を大幅に引き上げる欧州委員会の提言(2015年までのGNI比0.7%を達成するために2010年までにGNI比0.56%を目標とする。

これによりEU拡大前からのメンバー15カ国の国民一人当たりの支出増加額は61ドル。アフリカへの開発援助資金は253億ドル増額が見込まれる)を審議することとなっている。

一方、非政府開発組織の連合団体「The Global Call to Action against Poverty」は、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、ハンガリーは、この欧州委員会の提言に基づく合意に反対するだろうと警告している。同閣僚会議はホストの英国がミレニアム開発目標(2015年までに世界の貧困層を半減させる)とも密接に関係するアフリカ支援問題を主要議題にするG8サミットを7月に控えて欧州連合としての足並みを調整する上で重要な会合となる。1970年に自ら設定した0.7%目標をどこまで現実に実行するか、選択を迫られている欧州諸国の現状を報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩

アフリカへの支援ルートを巡って各国の意見の相違深まる

【ロンドンIPS=サンジェイ・スリ】

 

今年の主要国首脳会議(G8サミット)をホストする英国政府は、サミットにおける主要議題にアフリカへの開発支援をすえる意向であるが、その具体的な方策として同国のブラウン蔵相が提案した「国際金融ファシリティ(IFF)」(ミレニアム開発目標を達成するために必要な開発援助規模を大幅に増額するための手段として提案された方策で、ドナーの援助に対する長期的コミットメントに裏打ちされた債権の発行により、資本市場から調達された追加資金を活用するものである。

しかし一方で、未来の納税者に負担を強いることになる他、アカウンタビリティの観点からも問題があるとの指摘もある。IPSJ)を巡っては、依然として各国間の認識の溝は深いものがあり(日・米・カナダは反対、欧州諸国の間でも英・仏、独・伊間で足並みが揃わない)、英国が期待しているような効果をIFFに望める見通しは明るくないのが現状である。いづれにしても、きたるグレンイーグルサミットが、各国の意見の相違をすり合わせる当面唯一の機会となりそうだ。(原文へ)


翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩

 

拡大を続ける都市にはより良い解決策がある

【ベルリンIPS=ピーター・ディーゼラース】

第8回主要都市世界大会が、国連関連機関、都市問題専門家、世界の首都・主要都市の市長を一堂に会して先週、ドイツのベルリンで開催された。

そこでは無秩序に拡大を続ける都市化現象(スラムの拡大、貧困、貧富の格差、社会問題を引き起こす原因)を脅威と捉える悲観論が市長達の間で大勢を占めたが、一方で、都市の持つ利点やスラムに生活する女性の役割に着目して積極的に貧困・社会問題を解決していく方策などが議論された。世界の都市人口は1日約18万人のペースで拡大し続ける一方、9億人にのぼるスラム居住者は都市住民全体の1割(アフリカでは7割)を占めている。同大会で議論された都市化問題の背景と今後の対策を巡る諸議論を報告する。原文へ

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩