www.facebook.com
www.twitter.com
www.linkedin.com
www.blogger.com
www.myspace.com
RSS Feeds
 
INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

|日独交流150周年|ドイツ、日本と映画の連携を強化

【ベルリンIDN=ユッタ・ヴォルフ】

 

日独交流150周年の今年、11月21日から26日にかけて開かれる映画祭「TOKYO FILMeX」で、ベルリンの姉妹都市である東京が日本ではじめて「タレント・キャンパス」を主催する。

TOKYO FILMeX」組織委員会が支援して、東京都、東京都歴史文化財団、「タレント・キャンパス東京」の三者が、東アジア・東南アジアから15人の若いディレクターやプロデューサーを招き、ワークショップや講義、著名な専門家や映画制作者らとのパネル討論などに参加してもらう。

2010年には、「ネクスト・マスターズ東京」というパイロットプログラムが成功を収めた。アジアの9つの国・地域から20人の若い映画制作者が集められた。Hou Hsiao-Hsien、アピチャッポン・ウィーラセタクン、黒沢清、Amos Gitai、さらにはイランからAbbas KiarostamiAmir Naderiなどが参加した。

 
Hou
は台湾のニューウェーブ映画運動をリードする、賞も取ったことのある映画監督である。彼はもっぱら、台湾(あるいは広く中国)の歴史上の動乱を素材とした厳密にミニマリスト的なドラマを制作している。焦点が当てられるのは、個人、あるいは小さな集団のキャラクターである。たとえば、「悲しみの街」(1989年)は、第二次世界大戦後に地元台湾と中国本土からやってきた国民党政府との間の対立に巻き込まれた家族の物語である。長くタブーとされてきたこの話題に挑戦したことは画期的であり、商業的要素がなかったにもかかわらず、大きな成功を収めた。

ウィーラセタクン氏
は、タイの独立映画監督、脚本家、プロデューサー。タイ映画界の外に位置しながら、数本の長編映画と多数の短編映画を撮ってきた。夢、自然、セクシュアリティ、西洋によるタイとアジアの見方などが彼のこれまでの映画のテーマである。通常とは異なった映画の見せ方(たとえば字幕を画面の中央に置くとか)、役者でない人間を映画に出す、といった特徴を彼の映画は持っている。映画ファンは愛情を込めて彼のことを「ジョー」と呼ぶ(タイ人のように長い名前を持つ人は、便宜的にこういう短いニックネームを選ぶ)。

黒沢清
は日本の映画制作者。ホラー映画への貢献でよく知られている。「CURE」(1997年)ではじめて国際的に名前が知られるようになった。同じ年、黒沢は、2つのホラー映画を交互に撮るという実験をやった。「蛇の道」「蜘蛛の瞳」は同じ背景(子どもを殺された父親の復讐)、同じ主役(哀川翔)をもちながら、最終的にまったく違ったストーリーに展開していく。

アモス・ギタイ(Amos Weinraubが本名)は、イスラエルの映画監督。左傾化する政治を描いたドキュメンタリー制作が彼のキャリアのスタートである。レバノン戦争を批判的に描いた「戦場の日記」は、1983年に軍によって部分的に検閲され、Gitaiはイスラエルを離れてフランスに行くことになった。そこで彼は10年ほどを過ごすことになったが、イツハク・ラビン氏が選挙に勝利しオスロ合意が成立したことで、ふたたびイスラエルへ舞い戻ることになった。

東アジア・東南アジアの若手の映画制作者は、6月1日以降に申し込むことができる。プログラムの詳細、出演者、出席者は秋に発表される。「タレント・キャンパス東京」は、ベルリナーレ・タレント・キャンパスと東京ゲーテ研究所の協賛で行われる。

ドイツ連邦文化メディア委員のベルン・ノイマン氏は、初の「タレント・キャンパス東京」について、「日本の現在の状況、それと今年が日独交流150年であることを考えると、日本およびアジアとの映画を通じた関係を将来的に強化する重要なプロジェクトだといえます。」と語った。

「ベルリナーレ・タレント・キャンパスは、国際的な才能をドイツの映画産業と結んだ文化的交換のための稀有な機会」という。

「キャンパス」はベルリン国際映画祭のビジネス部門による企画である。欧州連合(EU)およびベルリン・ブランデンブルクメディア委員会によるメディア訓練プログラムの協力を受けてドイツ連邦議会が決定し、ドイツ連邦文化メディア委員が資金を拠出している。

9回目のベルリナーレ・タレント・キャンパスでは、ショートフィルムコンペで5人の決勝進出者が選ばれている。

「キャンパス」の報道発表では、170件のショートフィルム出品のうち、15人の監督が招待された。
 
ベルリナーレの後、5つの映画企画が選ばれ、ベルリンの映画制作会社やベルリン・ブランデンブルクメディア委員会の協力を得て、映画制作に進む。2011年末には完成の予定である。

1.Ana Lily Amirpour(米国):映画「小さな自殺」。自殺しようとするゴキブリのアニメ映画。アンブロシア・フィルム制作。すでに今年のベルリナーレに参加しており、「ジェネレーション14プラス」部門でショートフィルム「パシュマルー」が上映されている。

2.Madli Laane(エストニア)はヴェールという若いリベリア人に密着した。読み方を勉強するという大きな夢の実現を描く。2009年に「ベルリン・トゥデイ」で賞を取った映画「Wagah」を制作したDETAiLFILMが制作予定。

3.ラファエル・バルル(イスラエル)の「検問所のバットマン」は、エルサレム郊外の検問所に両親とともにひっかかってしまった、いずれも6才のイスラエル人・ユバルとパレスチナ人・マフムードの物語。制作はリヒトブリック・メディア。

4.「人を殺す5つの方法」はクリストファー・ビセット(南アフリカ)の作品。制作はフィルムゲシュタルテン。人びとが日常生活においていかに消費財と付き合っているか、世界的な責任のありようを超現実主義的な手法で描く。

5.最後に、イギリスの監督デイビッド・レイルによるドキュメンタリー映画「白いロブスター」はSLPフィルムプロダクションの制作。コカインにまみれたニカラグアのモスキート海岸が近隣社会に与える災いと恵みについて描く。

5本のショートフィルムは、第10回ベルリナーレ・タレント・キャンパス(2012年2月11日~16日)でプレミア上映される。審査員によって勝者に「ベルリン・トゥデイ賞」が送られる。(原文へ

翻訳=山口響/IPS Japan浅霧勝浩

関連記事:
パレスチナ映画ある街の「非武装の勇気」
ベトナム戦争と平和のテーマを融合し傷を癒す映画
|ベルリン|映画祭少年兵に注目