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|パキスタン|自爆テロ犯は天国ではなく地獄に落ちる

Mourners attend the funeral procession of a suicide bomber in Pakistan. But such killers are denied last rites. Credit: Ashfaq Yusufzai/IPS【ペシャワールINPS=アシュファク・ユスフザイ】

自爆テロ犯はイスラム教の名の下に犯行をおこなっている――しかし聖職者たちは自らや他人の命を奪う行為はイスラムの教えによるもではないとして、自爆テロ犯に対しては最後の儀式(埋葬の儀式)さえ行うことを拒否している。

パキスタンのイスラム法学者達は、「自爆テロ犯の行動は、アラーの神の怒りを買うものであり、彼らは天国にではなくむしろ無限地獄に落ちることになる」との見解を述べている。

 

「大半の自爆テロ実行犯は、自らの行いがアラーの神の思召しに沿うものという誤った考えに基づいて行動しています。しかし現実にしていることは、罪もないイスラム教徒を殺傷していることに他ならないのです。」とパキスタン連邦直轄部族地域(FATAハイベル管区のモスクで礼拝導師をつとめているマウラナ・ムハンマド・レーマン師は語った。

FATA
の7管区はアフガニスタンと国境を接しており、タリバンによって訓練と教義を教え込まれた後、パキスタン、アフガニスタン両国の軍事・民間双方に対する自爆攻撃に送り出される若き実行犯達の温床となっている地域である。

預言者ムハンマドは、殺人は許されざる行為であり、一人を殺害することは全人類を抹殺することに等しい。」とレーマン師はIPSの取材に応じて語った。

「パキスタンのタリバン勢力は、貧しいイスラム教徒の10代の若者を神学校へと巧みに引き寄せ、洗脳した上で自爆テロ犯に仕立て上げています。洗脳過程ではよくビデオ映像が使われ、青年たちは、そこでカシミールやイラク、アフガニスタンにおいてイスラム教徒がいかに迫害されているかを教え込まれるのです。」とレーマン師は語った。

「そこでタリバンの教官達は、聖なる戦い(ジハード)は避けられないものであり、自爆攻撃で多くの不信心者や異教徒を殺すことで、青年たちは天国に行くことができると説いています。しかしこれは全く誤った教えなのです。」

さらにレーマン師は、「とりわけ自爆テロ犯が死傷者の数を最大限増やそうと、モスクや葬儀の集会を襲うようになってきている傾向を悲しく思っています。」と語った。

アフガニスタン国境と接するカイバル・パクトゥンクワ州(北西辺境州)のマルダン(Mardan)県で礼拝導師をつとめているアンワルラー師は、「自身や無辜のイスラム教徒を吹き飛ばして殺害している輩は、(タリバンの)教官の約束とは異なり、決して天国に迎えられることはありません。自爆攻撃なるものをイスラム教が許していないことは、議論の余地がありません。聖なる教えに背き自爆テロ犯になることを選択したものが、地獄に行き着くことは火を見るよりも明らかです。」と警告した。

北西辺境州チャルサダ(Charsadda)県の聖職者クァリ・ジャウハール・アリ師は、「自爆テロ犯の遺体は洗浄されることもないし、埋葬時に適切な儀式が執り行われることもありません。彼らは不幸な人々だと言わざるをえません。」と語った。

北西辺境州のバンヌ(Bannu)県の宗教学者マウラナ・ムハンマド・ショアイブ氏は、今年1月にペシャワールで自爆した17歳のテロ襲撃犯アハマッド・アリについて、「彼はまともな葬儀を挙げてもらえず、誰も彼の死を悼みませんでした。残念なことだと思います。」と語った。

自爆攻撃に反対の声を上げる聖職者は、コーランの解釈に関して不都合な発言を封じたいタリバンによって攻撃の対象とされている。

近年、自爆攻撃を公然と批判して、タリバンの命令により暗殺されたイスラム法学者の中には、高名なイスラム法学者のサルフラズ・ナイーミ師や、ムハンマド・ファルーク・カーン博士、マウラナ・ハッサン・ジャン師が含まれている。

ハイベル医科大学法科学研究室のムハンマド・シャフィーク博士は、自爆テロ現場に散乱するバラバラ遺体について、「DNA検査の後、犠牲者の遺体については確認後に埋葬を執り行いますが、自爆テロ犯の遺体については決して埋葬したりせず、法科学サンプルとして使用します。」と語った。

またシャフィーク博士は、「自爆テロ犯はこれまでに罪なき何千人もの人々を孤児にしてきたのです。私自身の経験から言えることは、大半の人々は自爆テロ犯を拒絶し、葬儀にも協力しないということです。」と語った。

2010年4月にカンダハルNATO軍の車列を襲って自爆したアブドゥル・シャクール氏の父アブドゥル・ジャミール氏は、息子の葬儀を執り行うことも死を悼むこともできない自爆犯の父親の立場について「実に不幸なことです」と語った。

「故国から遠く離れて海外で死亡し、出身地の村で埋葬ができない者に対してでさえ葬儀が執り行われているというのに、(自爆テロ犯の父である)私の場合、息子の葬儀を執り行いたいという願いは皆から拒否されました。」とジャミール氏は語った。

息子のアブドゥル・シャクール氏は、北西辺境州チャルサダ(Charsadda)県スルフ・デリ(Surkh Dheri)の住人であったが2010年1月に忽然と姿を消した。そして3か月後のある日、タリバンの一団が父のジャミール氏を訪れ、子息がカンダハルで殉教し天国に召されたと告げたのである。

「私はタリバンの連中が早朝モスクで祈りを捧げている私のところに突然現れて、息子の悲報を伝えに来たのが今でも信じられません。彼らは私の感情をよそに息子の殉教を繰り返し祝う言葉を繰り返していましたが、今でも息子を死に追いやった彼らを許すことができません。」とジャミール氏は語った。

「死者の遺族に弔意を表すことは、人間として親切心を伝える重要な行為です。しかし息子の死に際して、息子の死を悼む言葉をかけてくれる人は一人もいませんでした。なぜなら、息子の行為は認めていないので、弔意を表す人などいなかったのです。イスラム教の禁止命令に違反して自爆した者を子供に持つ親は、子どもの死に際してアラーの慈悲を求めることもできないため、悲惨な想いをすることになるのです。」とジャミール氏は語った。

イスラム教徒は、葬儀に参列することや、遺体を適切に埋葬できるよう準備工程を手伝うことを、地域社会における重要な義務だと考えている。

北西辺境州の州都ペシャワールのアブドゥル・ガフール氏は、預言者ムハンマドの指示に従って、埋葬前に遺体の体を水で洗い清め白布を着せるのは、イスラム教徒としての必須の義務ですと語った。

また自爆テロ犯に墓がないということも、遺族にとっては深刻な問題である。自爆犯として死ぬことを選択したアハマッド・アリを息子に持つガル・レーマン氏は、死者の魂が最後の審判を迎えられるには人々が3日間喪に服すとともに適切な墓に埋葬されなければならないと信じている。(原文へ

翻訳=INPS Japan浅霧勝浩

 

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