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|日本|「私達には再び経済成長をもたらす小さな政府が必要だ」(河野太郎衆議院議員インタビュー)

 

【東京IPSM.Murakami

8月30日に行われた衆議院総選挙では長年与党の座にあった自由民主党(LDP)のベテラン議員の多くが落選し、民主党(DPJ)による地滑り的な勝利と共に歴史的な政権交代がなされた。

河野太郎
氏は、今回の衆議院総選挙で再選を果たした自民党議員の一人である。

神奈川第15区選出で今回5期目となる河野議員は、現在46歳。国会議員として高い評価を得てきた河野氏は、自民党に対する逆風が強かった今回の衆議院総選挙においても、選挙民の圧倒的な支持を獲得した。


米国ワシントンDCにあるジョージタウン大学卒の河野氏は、1996年の衆議院総選挙に立候補し初当選を果たした。近年は
自民党の体制について歯に衣着せぬ批判を展開して注目を浴びている。自民党内では国会議員を14期務め今年引退した父、河野洋平前衆議院議長と同様、リベラル派を代表する議員である。

 
河野氏は、自民党指導部の間に集団的な危機感が明らかに欠如しているとして批判する一方、社会保障制度の改善と政府による無駄な支出の削減の必要性を訴えた。多くの論点について河野氏の政策的な立場は、民主党が提唱しているものに近かった。


河野氏は今回IPSの取材に応じ、先般の衆議院総選挙における自民党の大敗についてと、民主党が率いる新政権に対する期待について率直な思いを語ってくれた。ここにインタビューの抜粋を紹介する。


IPS:
先般の衆議院総選挙での自民党の劇的な大敗をどのように見ておられますか?


河野:これは過去4年間に亘る政府(安倍晋三、福田康夫、麻生太郎首相首班の3代に亘った政権)の失政の結果だと思います。この期間、大臣たちは、経済が失速、失業率が増加、GDPが低下し、自殺率が上昇する中、本来の役割を十分果たしませんでした。


またこの期間、日本の金融市場も急落し、
リーマンショック(昨年の世界金融危機の発端となった米国の名門証券会社、投資銀行の破綻)がそれに更なる拍車をかけました。

もしこれら一連の政権の大臣たちが十分な対策を講じていたならば、国営漫画喫茶(漫画喫茶店の略で日本式コミックカフェの意味)と批判された巨大なポップカルチャーセンター(国立メディア芸術総合センター)の建設費として117億円もの予算を承認することはなかっただろう、そして日本の状況がここまで悪くなることはなかったと思います。


IPS:
それでは先の3内閣までの自民党政治はむしろよくやっていたと思いますか?一方で、自民党政治に対する一般国民の不満は長年に亘って蓄積されてきたと主張するみかたもありますが。


河野:4年前の衆議院総選挙で自民党が大勝したことを思い出してください。私は今でも小泉純一郎前首相の改革路線を支持しています。しかし小泉政権の後継である安部首相は、(小泉政権の郵政民営化に反対した)反改革派を復党させ、政府の要職につけました。その時点から政策路線が誤った方向に動き出したと思います。


IPS:
麻生太郎前首相は自民党総裁の辞任を表明しました。そして9月16日には特別国会で新総理大臣が選出されます。自民党議員の中で同氏を首相に推薦することは意味がないと感じている方々が少なくないようですが。


河野:衆院選の敗北の責任者でありその結果総裁辞任が決まっている人物に投票する必要はないと思います。


IPS:
自民党は今後野党としての役割を担う訳ですが、最大の課題は何だと思いますか?


河野:これは自民党にとっての課題だけではありません。今の日本には再び経済成長路線へと導く(国民への現金により手当を計画している民主党の方針とは異なる)「小さな政府」が必要なのです。


もし自民党が今後存続していくとするならば、自らのアイデンティティーを再定義し、国際社会に対して自民党が目指す理念や政権像を示していかなければなりません。もし自民党が小さな政府を目指すという点でコンセンサスを構築できなければ、希望はありません。


IPS:
マニフェストで喧伝された民主党の政策をどう見ていますか?


河野:年金改革といった具体的な政策では賛同できるものも見受けられます。しかし、民主党の掲げる労働組合を基盤とした「大きな政府」やそのような政府による「福祉の再分配」といった政策には賛同できません。私は経済発展を取り戻すことに焦点を当てた小さな政府を支持します。


IPS:
民主党新政権は、初めてとなる国政をどのように運営していくと思いますか?


河野:国政運営は容易にはいかないでしょう。民主党が公約した政策は具体的な財源の根拠がないまま打ち出したものですので、実施には至るのは困難でしょう。民主党はこの点について財政支出の無駄な部分を見直すことで、必要財源を絞りだせるとしています。しかし、遅かれ早かれ民主党は、「子供手当」などの(子供のいる家庭や農家を対象とした)特別手当の支給を諦めざるを得なくなるでしょう。


IPS:
あなたのような自民党の若い世代のリーダーの役割はなんでしょうか?自民党をどのように再生していかれますか?


河野:私は私自身の信念に沿って行動していきます。もし自民党が正しい方向を進むのであれば、私はその中にあって支持していきます。しかし、党のためというよりも日本の人々のために誠実に使命を果たして参りたいと考えています。私が自民党に属してきたのは、(各党の政策理念を見渡した時に)他に選択肢がなかったからです。しかし自民党に所属するために同党にとどまる必要はないと考えています。今後の党の方向性によっては、離党や新党旗揚げも考えるかもしれません。


IPS:
自民、民主両党の若手国会議員間の交流ネットワークは今後拡大していくでしょうか?


河野:自民党議員の中には党主流の議員達と考えを異にする人々もいます。またこの状況は民主党側にも言えます。このような両党の議員達が将来におけるさらなる政党間の再編成に向けて動く勢力となるかも知れません。


今日、結局のところ、自民党と民主党の政策には大きな違いがありません。もし両党がそれぞれの独自性に基づくビジョンと政策を競い合う環境が実現すれば、日本国会はあるべき機能を発揮することができるようになるでしょう。
原文へ

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩


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