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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

アジア諸国の防災力強化及び連携への提言(北里敏明元内閣府防災担当審議官)

Toshiaki Kitazato/ Devnet Japan【東京IDN=北里敏明】

日本では、1995年の阪神淡路大震災で、人口150万人の神戸市を中心に死者6500人にのぼった都市災害がありました。

18年後日本には、2013年3月11日の東日本大震災で大津波による大災害がありました。これにより、福島第一原発の放射能被害とともに2万を超える死者を出しました。

インドネシアでは、2004年のスマトラ島沖地震で津波が発生し、タイ、スリランカ、インドなどで合計22万人を超える死者を出しました。また中国では2008年の四川大地震で8万7000人を超える死者を出しました。

以上に見るとおり,アジアは地球の地殻変動が活発な地域であり、地震や火山災害が多発する地域であります。

2016年高雄地震/By ScoutT7 - Own work, CC BY-SA 4.0, 地球の地殻は常に動いており、気候変動の影響で今後も集中豪雨が増加するとみられることから、地震や火山爆発を防ぐことはできません。

よって、防災戦略を追求することで、災害の被害を減殺し、最小限のものとすることが大切です。

国連は、1990年代を国際防災の10年(IDNDR)と定めました。国際防災の10年は、団結した国際的な行動、とりわけ開発途上国における自然災害による人命や財産の喪失、さらには社会的経済的混乱を軽減することを意図していました。

そして、1994年に日本政府は、国連と共催で「第1回国連防災世界会議」を開催し、持続可能な経済成長は、災害に強い社会の構築と事前の準備による被害軽減なくしては達成できないという「より安全な世界に向けての横浜戦略と行動計画」が採択されました。

さらに国連は、2000年には、国際防災戦略(ISDR)を開始し、2005年には、阪神淡路大震災のあった神戸市で、第2回国連防災世界会議を開催し、災害による人的被害及び社会・経済・環境被害の大幅な軽減を目的とする兵庫行動枠組2005-2015(HFA)が策定されました。

一例として、この兵庫行動枠組2005-2015に基づき、バングラディッシュでサイクロン用避難所の設置で人的被害の大幅な軽減が実現しています。

国連は、2015年3月に第3回国連防災世界会議を東日本大震災で大きな被害を被った仙台市で開催しました。

3rd WCDRR in Sendai/ K.Asagiri of INPSこの会議において、人命・暮らし・健康と、人・企業・コミュニティ・国の経済的・物理的・社会的・文化的・環境的資産における災害リスク及び被害を大幅に削減することを目標とする国際行動指針「仙台防災枠組2015-2030」が採択されました。7つの目標と4つの優先事項からなるこの行動指針は、ポスト2015開発アジェンダに関する初めての主要な国際合意であり、2015年6月、国連総会はこの行動指針を支持する決議案を採択しました。

この会議を機会に、日本政府としては、自ら定めた仙台防災協力イニシアティブに沿って、2015年から2018年の4年間で,防災関連分野で計40億ドルの協力、4万人の人材育成の実施等によって、国際社会における「防災の主流化」に貢献するとともに,国連など国際機関を通じて多国間協力、アジアにおける地域協力で、国際防災協力を積極的に推進していく考えです。

私は、日本政府で、内閣府防災担当の審議官と総務省消防庁次長をしていました。

私は、日本のイニシアティブでアジア地域の防災レンジャーの共同訓練を日本主導で行うことを提案します。2011年の東日本大震災、2015年のタイの大雨による洪水、2016年2月の台湾南部大地震など、大災害における人命救護は一国が保持すべき対災害機能を超えることが少なくありません。

将来アジア各地で発生する大災害に備え、各国が日本をはじめ各国に蓄積された高度の救命技術と知識を習得し、そのことを通じ、アジアを始め各国に非常時に活躍できる高度の人材を養成することは、人道支援の見地からも極めて有効な手段だと思われます。

また、このような共同訓練による現場担当者の交流が、非常時におけるコミュニケーションをスムーズにし、災害時の人材の提供と物資の支援についてより迅速な対応を可能にすると考えられます。

このシステムを支える経済的支援の全てを各国政府に頼るのは、現在の経済発展の格差がある現状では調整が難しいでしょう。そこで、望ましいことは,DEVNET JAPANなど国連と協力するアジアの非政府組織が主導となり、人道支援の大義の下、関係各国の民間企業からの支援を取りまとめ、政府関係機関と密に連携できるネットワークを構築することが、これらを実現する上で極めて重要になると考えられます。

また、この手法はこれまでの政府開発援助(ODA)による一方的支援から各国協働の新しい国際人道支援のモデルとなるでしょう。(原文へ

北里敏明氏は弁護士でDEVNET JAPAN顧問。東京大学法学部卒業、米国ハーバード大学卒業、京都市助役、自治省企画室長、総務省消防庁次長、内閣府防災担当審議官等を歴任、21 世紀防災・危機管理研究所設立。横浜国立大学客員教授、立命館大学非常勤講師、北里柴三郎博士(細菌学)の親族

この記事はIDNが国際協力評議会並びにDevnet Japanと共同で実施しているメディアプロジェクトの一部。

 

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