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INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

人権教育の力に焦点をあてた展示会

Ambassador Maria Nazareth Farani Azevedo of Brazil (left in the photo) addressing launch of the Exhibition as representative of the Platform for Human Rights Education and Learning, comprising the governments of Brazil, Costa Rica, Italy, Morocco, the Philippines, Senegal, Slovenia, Switzerland, and Thailand. Credit: Kimiaki Kawai | SGI【ジュネーブIDN=ラヴィ・カントゥ・デヴァラコンダ】

国際的な市民団体や各国政府が手を結び、人権教育が人々の生活を変革する力に光を当てている。「人権教育および研修に関する国連宣言」採択5周年を記念して、3月6日に展示「変革の一歩‐人権教育の力」が国連欧州本部で開幕した。

3月17日まで開催予定の展示は、排外主義や偏見、不寛容の傾向が社会で強まる中、「尊厳・平等・平和を促進し、人権侵害を防止するうえで人権教育および研修が果たす重要な役割を強調するもの」になっている。

この展示は、「国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)」の協賛を得て、創価学会インタナショナル(SGI)が、「人権教育2020(HRE2020)」、「人権教育学習NGO作業部会」、「人権教育と研修に関する9か国プラットフォーム」との共同で開催したものだ。

Exhibition "Transforming lives: the power of human rights education"/ SGI25枚のパネルからなる展示は、人権教育が変革につながった事例として、オーストラリアやブルキナファソ、ペルー、ポルトガル、トルコでの成果を取り上げており、市民や政府、市民団体に対して、「人権文化」を涵養するために行動しようと呼びかけている。

開幕式で、 在ジュネーブ国際機関ブラジル政府代表部のマリア・ナザレ・ファラーニ・アゼベド大使は、「人権教育と研修の意義は、とりわけ社会の分断と暴力的過激主義が進行していることを考えたとき、社会における平和で寛容的、かつ持続可能な社会の実現のために特に注目すべきものになっています。」と語った。

アゼベド大使の発言は「人権教育と研修に関する9か国プラットフォーム」に参加している各国政府を代表してなされたものだ。9カ国とは、ブラジル・コスタリカ・イタリア・モロッコ・フィリピン・セネガル・スロベニア・スイス・タイである。

Craig Mokhiber/ UN Photo/Jenny Rockett国連人権高等弁務官事務所のクレイグ・モカイバー開発・経済・社会問題部長は、「人権の持つ力に対する認識が高まる中で、蔓延する偏見や虐待、失業、搾取、不平等、そして独裁や政治腐敗、不正を容認できないと叫んでいる人々の『うなり声』が世界中にひろがっています。」と語った。

「この展示が示しているとおり、人権の知識は、人々が自由と尊厳ある生を享受するための力なのです。」とモカイバー部長は語った。

モカイバー部長は、「トルコにおける家庭内暴力」や、オーストラリア当局による厳格で暴力的な差別措置の被害者らを救う人権教育および研修を広めているSGIの取り組みを称賛した。

SGIは、世界で1200万人の会員を擁する、地域に根差した仏教団体である。会員らは、仏教の伝統である人間主義を根本に、平和や文化、教育を推進している。

Daisaku Ikeda/ Seikyo Shimbun東京を本拠とするSGIの寺崎広嗣平和運動総局長は、池田大作SGI会長の言葉を引用して、「人権教育を通じて日頃から互いの多様性と尊厳を大切にし合う社会の土壌を育み、一人でも多くの人々が『人権文化』の建設の担い手となっていく流れをつくり定着させていくことが今ほど必要な時はありません。」と語った。

池田会長は、寺崎総局長が代読したメッセージのなかで、今回の展示が国連人権理事会の会場において開催されたことを紹介。また、難民や移民、外国人などに対する嫌悪や排斥の動きが各国で見られる中、人権教育および研修に関する国連宣言の「あらゆる形態の差別、人種主義、固定観念化、憎悪の煽動、それらの背景にある有害な態度や偏見と戦い貢献すること」との一節に触れ、人権教育をあらゆるレベルにおいて推進する継続的な努力がなされることの重要性を訴えている。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)ジュネーブ連絡事務所のアブドゥルアズィーズ・アルムザイニ所長は、「大きな変化と不透明さに直面する時代にあって、人権への知識を持つことは、あらゆる人々が持つ権利への敬意を培うための、本質的な手段と見なされるべきです。」と語った。

アルムザイニ所長は、今回の展示は「人権教育が、平和、正義、非暴力、寛容、そして人間の尊厳の尊重といった価値を涵養する強力な言動力となりえます。」と語った。

「ユネスコは、70年前に世界人権宣言が採択されて以来、市民的権利、文化的権利、経済的権利、社会的権利、政治的権利といったあらゆる人権が、継続的な人権教育および研修を通じて、よりよく普及・促進されるよう取り組んできました。」とアルムザイニ所長は語った。

Abdulaziz Almuzaini (right in the photo) director of UNESCO’s office in Geneva, addressing at the launch of the Exhibition/ Kimiaki Kawai | SGI人権問題に取り組む15の非政府組織の連合体で、今回の展示の共催者であるHRE2020を代表して挨拶したエマ・メランデル・ボリ氏は、民主主義への挑戦と人権侵害によって損なわれた今日の世界においては、「国連人権宣言に謳われている人権の監視と履行を継続的に行っていく必要性を強調した。

「拡大する暴力と、国家やその新しい統治者による人権侵害の拡大を背景に、人権教育および研修を通じて被害者をエンパワー(内発的な力の開花)するために必要な、さまざまなアプローチをとることが重要です。」と寺崎総局長は語った。

展示会場でIDN-INPSの取材に応じた寺崎総局長は、「人権侵害に関わるそれぞれの事例について徹底的な検証が必要であることは言うまでもないが、他方、小学校以降の人生のあらゆる段階において、人権教育を中心に据える必要があります。あらゆる人々の心の中に人権の重要性を理解する感情を喚起しない限り、人権侵害は繰り返されることになるでしょう。この展示を通じた(SGIの)取り組みの狙いは、まさにこの点にあります。」と語った。

寺崎総局長は、現在米国で移民が直面している窮状について問われ、「米国は多元主義と多様性を通じて成長し、そのおかげで急速に発展してきました。もし米国がこの点で実際に態度を変えるならば、それは自らの過去を拒否し、否定するということになります。」と語った。

寺崎総局長は、予測不能性、不確実性、暴力、剥奪、不安、さらには、人権への一般的な攻撃で特徴づけられる現在のグローバルな局面に対する懸念を表明し、「だからこそ、SGIは人権教育に力を入れています。」と語った。

SDGs Goal No. 4展示のテーマに関連したものに、インドの作家で文芸や政治問題に関する著作があるパンカジ・ミシュラ氏による『怒りの時代―現在の歴史』がある。

この著書の中でミシュラ氏は、こう述べている。「先制攻撃による戦争、大量報復、レジーム・チェンジ(体制転換)、国造りとイスラム改革といった9・11後の政策はことごとく失敗に、それも壊滅的な失敗に終わっている。他方で、超法規的殺人、拷問、レンディション(特例拘置引き渡し)、無期限収監、大規模な監視を通じて、無自覚に進められている欧米自身の啓蒙主義に対する汚い戦争は、大成功を収めているのである。」(原文へ

翻訳=INPS Japan

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