www.facebook.com
www.twitter.com
www.linkedin.com
www.blogger.com
www.myspace.com
RSS Feeds
 
INPS JAPAN   IDN-InDepthNews - UN INSIDER

資源利用最大化を図るタンザニアの学校

Demonstration of maximising resource use. /Kizito Makoye Shigela | IDN-INPS【ダルエスサラームIDN=キジト・マコエ・シゲラ】

鐘の音が鳴って、ヘキマ小学校は放課後になる。そしてこの鐘は、レイラ・キトワナちゃん(10歳)と同級生の児童達にとって、学校の畑へ水やりする時間を告げるものでもある。児童たちは、巨大タンクに溜められた雨水を使ったドリップ(点滴)灌漑システムを利用して、この立体的な畑に交替で水やりをしている。

「いろんな種類の野菜を育ています。これらは私たちの食事の大事な一部になります。」とキトワナちゃんは語った。

ダルエスサラームキノノドニ地区の貧しいタンデール集落にあるこの学校の大半の児童たちは、最近まで、授業に出るよりも水の確保に多くの時間を費やしていた。「井戸があったけど、しょっぱくて飲むことができず、トイレ用の水としてしか使えませんでした。」とキトワナちゃんは語った。

極端な水不足、貧しい学習環境のために、低所得層の多くの児童が通学を諦めていた、と教師らは説明する。しかし、学校が「アーバン・ネクサス」のアプローチを採用してからというものの、状況は格段に改善した。これは、水・エネルギー・食料資源を効率的かつ統合的な方法で利用しようとするものだ。

「アーバン・ネクサス」アプローチを通じて、水と衛生、エネルギー、食料と廃棄物をリンクする機会が創出される。こうした解決策は、単一の開発手法を適用するだけでは生み出されないものだ。

ICLEI(「持続可能性を求める地方政府」)とドイツ国際協力公社が5万7000ユーロをかけて支援する「アーバン・ネクサス」のパイロット・プロジェクトの下で、ヘキマ小学校と近隣のエリム小学校は、利用可能な資源をより効率的に使えるようになってきた。

ヘキマ小学校のムンガ・ムテンゲティ校長によれば、プロジェクトのおかげで、学校は、燃料となる木材の消費を減らし、より多くの水を入手し、学校給食のための野菜を育て利用することが可能になったという。

「今では、多くの水やエネルギーを得ることができるようになりました。」「生徒が水汲みに苦労することがなくなり、代わりに教室で時間を過ごせるようになりました。」とムテンゲティ校長は語った。

SDGs Goal No. 15人口が急速に拡大しているタンザニアの都市部では、水・エネルギー・食料・衛生の供給システムの管理に大きな問題が生じている。しかし、自治体は、縦割りの計画・管理体制が原因で利用可能な資源を十分に活用できていない。

そのため、「アーバン・ネクサス」のアプローチは、一元管理化された統合的なシステムを通じて、より良い結果をもたらすために、限られた資源を活用する方法へと変革しようと試みるものだ。

「私たちは、学校向けに、自らの水供給、エネルギー、改善された衛生システムでもって自立が可能となるビジョンを策定したかったのです。」とICLEIのプロジェクト管理者であるサラ・バーチ氏は語った。

「私たちは料理のために使う木材を半分にし、雨季に利用できる水の量を2倍にし、入手できる食料を増やしました。」「子どもたちに、粗末なおかゆのようなものだけではなく、栄養豊富な野菜スープで十分に栄養をつけてあげたかったのです。」とバーチ氏は語った。

バーチ氏は、「近隣で出されるゴミのかなりの量を使うことになるバイオガス・プラントも小学校で設置していくつもりです。」これにより、「地域住民が出すゴミを使って、公共施設でエネルギーを生み出すことができます。」と語った。

気候変動の脅威の高まりに直面して、専門家らは、アーバン・ネクサスのモデルがそのリスクを低減し、未来の生産的で強靭(レジリエント)な都市を作るために必要なものだとしている。そうした都市は、地元および国全体の経済発展に多大なる貢献をなしうるだろう。

ダルエスサラームは、エネルギーや水の不足、粗末な廃棄物処理、貧困と高い失業率など、数多くのリスクと脆弱性を抱えている。

ダルエスサラームでは人口の約7割が非正規の居住地区に住んでいるため、タンデールのような人口密度の高いスラムは特に洪水に弱い。大雨が降るとしばしば激しい洪水が起こり、数千人が家屋を追われ、被害額は数百万ドルにも及ぶことになる。

「人口の多い地区では、学校が住民同士が連絡をとりあうための理想的な場所となっており、洪水時の強靭性を強めるハブとしてしばしば機能しています。」とバーチ氏は語った。

キノンドニ市の公務員ヨハナ・ムゴンジャ氏によると、この学校プロジェクトから得られた経験は、他の学校や公共機関にとっての模範となるものであり、環境教育の機会も提供しているという。「食糧栽培が、建物の壁や、コンパクトな空間においても可能だということを示すことができれば、地域住民に同じ試みをする気を起こさせることができます。」とムゴンジャ氏は語った。

実際、多くの地域住民がこのプロジェクトを見学に訪れ、自分の家の敷地で何ができるか尋ねるという。

Map of Tanzaniaタンザニアにおけるアーバン・ネクサスのパイロット・プロジェクトは、南アジアで実行されているより大きなプロジェクトの一部である。マハラシュトラ州第3の都市で、インドで急速に発展しているナーシク(ブドウ園とブドウ生産で知られる)は、水・エネルギー・食料部門のつながりを明確化することを通じてアーバン・ネクサスのアプローチの利点を示すことを目的としたパイロット・プロジェクトの現場として選ばれた。

水・エネルギー・食料安全保障とその相互の関係の問題は、2012年6月に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)においても国際的に注目され、持続可能な開発目標(SDGs)の策定にあたっても重要な役割を果たした。

「今日、気候変動と資源の棄損に伴ったリスクの累積によって、都市は進歩・建設・開発・計画のやり方を変えなくてはならなくなっています。」とナーシク市幹部のサトヤ・ナラヤナ氏は語った。

「こうした機会がどこに眠っているのかを探り、それらを把握し、そのうえで計画を策定して実行に移す方策を考えることは、多くの都市において課題となっています。」とナラヤナ氏は付け加えた。(原文へ

翻訳=INPS Japan

関連記事:

|アルゼンチン|学校菜園で子どもの健康を守る試み

世界市民教育の重要性が増している

|バングラデシュ|「壊滅的」被害をもたらす可能性のある気候変動の緩和に向けて行動